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丑の刻参り2 ページ14

side:織田

「!誰だ!?」
『早まるな、我だ』
「銀零…!?」

時計が午前2時を指したころ。微かな気配に目を覚まし、銃口を向けた。
そこには、Aの守護霊獣である銀零が佇んでいた。

「お前、一人で出てこられたのか」
『無論。緊急時以外は、呼ばれるまで来んがな』

緊急時以外?
まさか…

「Aに何かあったのか!?」
『流石、勘がいいな。来い』

銀零に続き、Aの部屋まで急ぐ。
今日は新月。
私もジイドも気を付けていたし、Aがちゃんと結界を張る霊具を使うのも確認してから各自の部屋に戻った。

「A!?…これは、っ、どうした、何があった!?」
「ぅ、ぐ…あああっ、痛いっ、いた、っーーー!」

扉を開ければ、胸を押さえ、髪を振り乱してAがもがいていた。
汗で髪が張り付いた顔は、苦悶の表情を浮かべている。

『主が付けている装飾品を外せ!』

装飾品?
Aはいつもジイドが送ったネックレスや、自分で作っ数珠を付けている。外さないまま寝ることもしばしばだ。

「これか!」

纏の腕に、見知らぬブレスレットが着いているのを見つける。
今日、探偵社の娘と遊びに行って買ったんだと帰ってきたときに話していたものだ。

「悪い、A」

引きちぎる様にブレスレットを外せば、Aの様子が少し落ち着く。

「作之助、何があった?」
「ジイド、Aが」
「何だと?」
『誰の仕業かは知らんが、その装飾品は主が今宵しているモノと全くの拮抗する作用を持つ霊具の様だ。霊具により貼られた結界を壊すためのな』

幸い、そこまで強い力はなく。Aの持つ霊具の方が強いようで、外せば結界は正常に動くらしい。

「だが、Aのこの表情…普通ではないぞ」
「あぁ、さっきよりも治まったが…」

まだ、胸を押さえて苦しんでいる。

『呪われている。とても古いやり方だ』
「何だと!?」
「これをAに売った人物か」
『分からぬ。だが、呪いの場所は臭いで辿れる。お前たちが片を付けろ。我が主に仇なす愚者の首を噛み砕いてやりたいが、この身は霊体…人には触れられぬ』
「相手は、人間って事か」
『左様。装飾品を外したことで結界が働き、呪いの循環を遅らせてくれている』

ジイドと顔を見合わせ、互いに頷く。

「う、ぁぁっ…!いた、ぃ、っ…!」
「待ってろ、A。すぐに呪いを断ち切って来てやる」
「苦しいだろうが、少しの辛抱だ」

Aの汗に濡れた顔を撫でた。

『行くぞ』

ジイドと共に、銀零の後を追ったー。

イラスト頂きました!・:*+.(( °ω° ))/.:+→←丑の刻参り1(雪月花様からリクエスト)



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をたく - 夏目友人帳とコラボでこの作品出してほしい (2020年1月3日 4時) (レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
光牙 - 怪奇症候群を思い出すなぁ... (2018年8月16日 20時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます!猿夢はグロいですよねwしかも、元ネタ読むと自分も同じ夢を見るという噂が…。まぁ、私見てないんですけど (2017年8月31日 6時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - ヒャ、猿夢はトラウマです…うぅ…(長い間見てなかったです。すみません) (2017年8月30日 5時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます! (2017年8月27日 9時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:amato | 作成日時:2017年8月16日 22時

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