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「……え、」

なんでバレたん、そんなん言ってへんのに。

思わず目を丸くして、少し呼吸が止まってしまった。

神ちゃんは溜息なのか、それとも煙草なのか、長めに二酸化炭素を吐いてピアスのついた耳を触る。

「やっぱ?なんかさ、しげの喋り方とか表情とか、ぎこちないなって。」

だんだん小さくなる煙草を灰皿で潰して、次の1本を吸うかどうかを考えた。

神ちゃんも俺を真似するように灰皿に押し付けて、もう一本は吸わなかった。

「神ちゃんは、なんでも知ってる」

「ふふ、しげのことよく見てるからさ」

だって大事な友達やもん。くしゃりと笑った顔はやっぱり幼くて、安心する。

このままあのことを相談してしまおうかとも思ったが、引かれたら怖いし遠回しに尋ねるには難しすぎるので黙っていた。

神ちゃんは何を言おうか悩んでいるみたいに頭を掻いて、思いつかなかったのか少し顔を顰めて、また笑った。

「ひとりで解決できなさそうなことなら、相談して。俺、できるだけ力になりたいって思ってるから」

小動物のような見た目からは考えられないくらい、神ちゃんは男らしい。

強いんだ、神ちゃんは。俺と違って。だから羨ましい。だから、一緒にいたいと思う。

神ちゃんの隣にいれば、俺も強くなれそうな気がしたから。

結局煙草の箱をしまって、真っ直ぐ神ちゃんの瞳を見つめた。

「ありがと。無理そうやったら、言う。」

「ん、待ってる」

短く返事して、そこからは無言。

俺は喫煙所の扉を開いて外に出た。
新鮮な空気。綺麗な空気。大きく吸って、すぐ吐き出した。

これ以上神ちゃんを心配させちゃ駄目。
これ以上不自然な動きをしたら、きっと小瀧にも伝わってしまう。

もう少しできっと禁煙できるから、ほら、もう少しの辛抱だ。

どうにかバレないまま、関係が終わるのを待っていたい。

「頑張れ、俺。」

すれ違う人達に聞こえないように呟いて、デスクへと歩き出した。

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あどま(プロフ) - 美月さん» コメントありがとうございます!私も書き終わったー!という達成感と共に少しの寂しさを感じてます…。番外編はなにか書きたいなと思っているので待っていてください…! (6月20日 22時) (レス) id: 59dc4622d3 (このIDを非表示/違反報告)
あどま(プロフ) - ペンギンさん» コメントありがとうございます!素敵なお話と言って頂けて頑張った甲斐があったな…と感じてます笑番外編書き終わり次第投稿したいと思っていますので楽しみにしていただけると嬉しいです! (6月20日 22時) (レス) id: 59dc4622d3 (このIDを非表示/違反報告)
あどま(プロフ) - ゆん太さん» コメントありがとうございます!初作品、至らない点が沢山あったと思いますが、大好きだと言って貰えて本当に嬉しいです!次回作も読んでくださると嬉しいです…! (6月20日 22時) (レス) id: 59dc4622d3 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン(プロフ) - 完結おめでとうございます!素敵なお話をありがとうございました!よかったら今後2人がどうなるかなどの続きや番外編も見てみたいです!これからも楽しみにしています! (6月19日 2時) (レス) id: c34058457d (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも更新を楽しみにしていた大好きな作品だったので、完結して嬉しい反面、寂しい気持ちもあります(;_;)もしよかったら番外編など書いていただけたら嬉しいです。次回作も楽しみにしています! (6月19日 0時) (レス) id: 63b1f880fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あどま | 作成日時:2019年3月9日 21時

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