＿百六十一訓 ページ18
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「私…」
「ん？」
何やら言い出そうとする彼女をじっと見つめていれば、ポツリと話し出した。
「晋助様が…、またあの時みたいになったら嫌なんス。また近いうちに始まる戦いに備えて力つけないと。鬼兵隊で女は私だけっスから少しでも先輩達と並べられるようにしないと」
「……尻軽そうな服着てる癖にいいこと言うじゃないか」
「人が真面目なこと言ってる時に…！！それにスカスカならアンタも同じでしょーが！」
短い丈は尻軽そうに見えるし…。
上から下へと彼女の全身を見ていると、腹を立てたのか額に青筋を浮かべてこちらに銃口を向けて来る。
「アンタほんっっとうに腹立つ女っスね！」
「褒め言葉として受け取っておこう」
「友達なんていなかっただろーが！」
「う、うるさいな！と、友達…は沢山いた」
「ほんとにいなかったんかい！」
変な汗を手であおぎながら、さっさと帰ろうと出口に向う。
ピタリと足を止めて彼女の方を振り返れば早く帰れと言わんばかりの血相で思わず笑みが零れた。ここまで嫌われたものか。
「なぁ来島」
「…ッ……な、なんスか」
「晋助のこと。よろしくね」
じゃあな、と背を向けたまま手を振る。
最後に見た驚いた顔に、頬が緩み廊下にて通りかかった隊員にご機嫌ですねと言われたことは内緒にしよう。
＊＊＊
「Aざぁあーーん…」
「どうした名無し団員Ａ」
鬼兵隊から帰ってきた直後。半分強制的に連れていかれた先には寝込んでいる彼と仲の良い名無しＢとＣ。
『いんふるえんざ』というものにかかったとのこと。地球の流行り病らしい。ならこの間の時にもらったのだろうな。
「旅行に行くまで俺は死なねー！！」
「それな。でも今とってもアイス食べたい気分。アキ、地球でロールアイス買ってきて」
おっさん二人の面倒を見ているだろう彼には同情してしまう。ほらため息なんか吐いてるぞ。
タオル取ってくると彼ら二人の部屋へ向かおうとしたところ。団長がへアホ毛を揺らして走ってきた。何だあれ、可愛いな。
「あの二人がいんふるえんざ？で熱なの知ってるだろ？夜兎なのに脆いヤツら」
「知ってる。丁度今聞いた」
「それでさ、A」
嫌な予感がした。
パッと出された細長い紙に、自然と眉を寄せてしまう。
宇宙旅行三名様ご招待券。普通なら喜んでしまうことが、どうしても今の状況喜べないのだ。
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yuuna1202(プロフ) - 本当ですか！嬉しいです！！ (2020年12月8日 11時) (
レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)
yuuna1202(プロフ) - 私この小説を応援してます！補佐さんが呪術廻戦に転生するのも見てみたいなと思います！？ (2020年12月7日 19時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なな | 作成日時：2020年7月17日 23時
