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_百五十七訓 ページ14

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朝からそわそわと艦内を彷徨う団長に団員のみなが気づいていた。


「(補佐さん早く帰ってきてあげてくれ)」
「(あの団長が林檎剥いてるぜ)」
「(しかも上手い…)」


真っ赤なリボンのように伸びる林檎の皮を見て、心の中でため息を吐く一同。
そんな食堂の自動ドアが開き、やって来たアキは「団長」と呼ぶ。


「後十分程で着陸しますよ」
「……分かった」


落ち着いた口調に似合わない、早歩きで出ていった神威にアキは微笑ましそうに笑みを浮かべていた。
少しして、広い人目の少ない沖に艦を止める。プシューと大きなドアが開き地面へと繋ぐと同時に神威は外に駆けだす。
だが、彼女の姿は見当たらなかった。


「……あ、Aだ」
「凄いですね。ぴった……、…ん?」


ふらりふらりとはっきりしない足取りでこちらに向かってくる。
灰色のマントと、隙間から覗く白い中華服の布とブーツで彼女であることは確かだろうが、何やら様子が変だ。

神威が駆け寄れば彼の胸へと飛び込み倒れる。フードを取れば明らかに顔が真っ青だった。


「A!?」
「…………ぃ…」


急いで艦の中へと運ぶ。その最中に、神威の腕の中でAは小さく呟いた。
アキと二人で聞き返せば、口を押え心底気分の悪そうに言った。


「だめだ、もう吐く」
「「え、」」


おぼろぶしゃあああと、何かが溢れ出し神威とアキの叫び声が艦内に響き渡った。

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yuuna1202(プロフ) - 本当ですか!嬉しいです!! (2020年12月8日 11時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)
yuuna1202(プロフ) - 私この小説を応援してます!補佐さんが呪術廻戦に転生するのも見てみたいなと思います!? (2020年12月7日 19時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なな | 作成日時:2020年7月17日 23時

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