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_百訓 ページ5

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軽傷で済んだ第七師団の団員は傘を構えて星海坊主にジリジリと近づく。


「ここは昔から他の星じゃやっていけねェほどのバカが集まる星だったが、俺に喧嘩を売る程のバカはいなかったよ」
「生憎この星で育ったとびっきりの神威(バカ)が作った部隊でな」
「……その辺にしておけ下っ端共。私も副団長も手を貸さないぞ」


Aのその一声に素早く反応したC。数人いる中に紛れていたが、彼女の声を聞けば手も足も出せない。
何せ彼は星海坊主よりもA。ブラックホールよりもA。吉田沙保里よりもAが怖いのだから。

そんな後ろにいる者に構わず星海坊主は「オイA」と呼ぶが、当の本人は建物に寄りかかりギロリと睨みながら心底嫌そうに口を開いた。


「気安く名前を呼ぶな。殺すぞ、ハゲ」
「てめぇどこ見て言ってる。俺ァ今帽子被ってんだよ。透視能力でもあるのか」
「あァよく見えるぞ。お前の腐った毛根も雑菌だらけの汚い長靴もな」


バチバチと、もはやこの2人でこの星をぶっ潰しそうな勢いで火花を散らす彼らに阿伏兎は引きながらふと、この間起こったテレビのことを思い出した。
いや、今はそんなことよりしなければならないことがある。Aの首根っこを引っ張り殴りかかりそうなのを抑える。


「……神威(アイツ)がまだ生きてると?」
「だからアンタここに来たんだろ。親子喧嘩の続きをしに」


神威の今までの仕事の時の様子や、星海坊主のことを思って彼女は似てるな、お前ら親子、と。
一度定めた獲物を狩るまでは他のものにはお構い無しに突き進む……、そんな姿が。


「来いよ。茶は出せねェが息子のグチならいくらでもある」
「主に部下に対するセクハラとパワハラ。そして食費のことだが」
「補佐さんは黙っててください。副団長!本当にいいんですか!?」


Aに対する態度の差は置いておき、Cの発言に彼女は言う。


「こいつはお前達の命なんかにこれっぽっちも興味はないさ。あったら今すぐ私が動いてる」
「何より、俺達にこのバカ親子を止める術もねェ」
「………」


黙って阿伏兎とAを見つめる星海坊主が、何を思っているかは分からない。


「だったら一緒に待つしかねェだろ。バカの帰りを」

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設定タグ:銀魂 , 第七師団 , 夜兎家族   
作品ジャンル:アニメ
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波璃 - 3作品目おめでとうございます!今作も面白いお話を期待しています!更新頑張ってください!! (2020年5月21日 23時) (レス) id: a6841af2ef (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - わーー!!!待ってました!!ありがとうございます楽しみです!!更新頑張ってください!(ありきたりな言葉かもしれませんが本心です笑) (2020年5月21日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なな | 作成日時:2020年5月17日 13時

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