_三十訓 ページ31
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「しッ、晋助様の姉ェエエ工!?」
悲鳴に近しいまた子の叫び声がチャペルに響き渡る。
Aはコツコツと高いヒールを鳴らしてレッドカーペットの敷かれたバージンロードを歩いた。
「晋助」
Aにそう呼ばれ、顔は向けずとも少し肩を揺らした。その隙を見逃さなかったAは更に微笑む。
「酷いじゃないか、私を呼んでくれないなんて」
その小さな身体のどこから出てきたのかと聞きたくなるようなハッキリと凛とした声に声量。
鬼兵隊、狗神家共に呆気にとられてる中だが高杉だけは顔色が違っていた。
「こんな所でのもあるが、ここで一つ説教」
「(…………まずい)」
ところがAはその前にと高杉へと向かいっていた足を方向転換させて一人の男の前へと立った。
その男、千和の父は冷や汗をかきながら何か用かと聞いてくる。
「大の大人が親族に挨拶も無しに結婚とは。親の顔が見て見たい。まあ老いぼれジジババだろうが」
「あ、姉がいるとは…、こちらも聞いていなかったが……ぶべらッ」
「口答えすんな、ジジイ」
「と、当主様ァァァ!!」
Aによって一瞬で気絶さられた男は周りに駆けつけてきた人々に保護される。
一方、一段落したように再度高杉の方を向いて走り出した。それと同様に高杉は何かを察して身構えるがそれも既に遅い。
「…私に隠し事なんて…、百年早いんだよクソガキがァ!」
「ちょ、おまッ……」
何かを言いかけているのを無視して高くジャンプをし、握った拳を高杉の頭頂部目掛けて振り下ろした。
結果、地面に埋まってしまったその姿はいつかの銀時の様である。
綺麗に着地をしたAはそんな埋まっている弟の方を振り返り、拳を見せて微笑んだ。
「姉さんには逆らわないことだな」
またまた、また子の叫び声がチャペルに響き渡ったのはまた別のお話。
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水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年2月18日 19時