_二訓 ページ3
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「あれが噂の女か」
「胸でけー。つーかすげぇ美人」
「なんか入団時から団長に気に入られて団長補佐って役職につかせてもらったってよ」
「うわっ、それ俺らより給料高ェーじゃねーか」
「…………丸聞こえなんだが」
少し先にいるモブ達の会話を耳にして私はボソッと呟いた。
まァ、見ず知らずの急に現れた怪しい女を変な目で見るのはおかしなことでは無いと思う。正確な判断だ。だが本人の目の前で言うのはどうかと思うな。
あ、頭悪いのか。と、勝手に結論づけて副団長のいる会議室へと向かった。
___…
ところ変わって会議室。話の内容は三日後の星潰しについて。
本当なら団長が前に立って指揮をとるのが普通かもしれない。が、ここの団長は真面目じゃない。仕事に関してやる気ゼロの戦闘狂だもの。
副団長が過労死寸前のおっさんである事を知っているのかと思いながら、横で何らかの紙を片手に十数人の夜兎に作戦を説明してる。
「…と、言うことだ。Aも初めてだが入ってるからな」
「副団長。私はいる時に労働は趣味じゃないって言ったはずだ」
「お前なんでここに入ったんだァ?」
ニコニコと副団長に笑みを見せて長ったらしい会議を強制的に終わらせた。これが補佐の特権ってもの。
その中でも私を不審に思い睨む輩もいたが無視をしよう。当分それで乗り切るつもりだ。
さて、会議が終わった今。私は溜まってる書類やらの紙束を片付けようと部屋へ向かおう。そこへ前方に見えるお下げの女の子……ではなく、我らが団長。
「あ、A暇ー?相手してよ」
「子供か。いいよって言いたいとこだけど残念。副団長に仕事しろって怒られるのやだからちゃんと机に向かうんだよ、私は」
「珍しい、明日は隕石でも艦に当たるね」
「本当になったらどうするの」
恐ろしいことを言うと思いながら部屋に着く、これはこのまま駄々こねるパターンだなと予想したが、それは外れた。
「なら、三日後の星潰し勝負しよう」
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水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年2月18日 19時