_十八訓 ページ19
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さて、私は何も見ていない。えぇ、それはもちろん。副団長には変人だったと伝えてあの女の子の所にでも行こう。そうしよう。
[えー、ピンポンパンポーン]
「……今度は何だ」
音源がないらしい第七師団。まさかの副団長が自分でそんなことを言うとは。
[さっきの衝撃で操縦士たちが頭を打ち気絶した。……ってことで誰か援助に来い!本当にピンチなんだよッ!]
「…………」
副団長のその言葉と同時に、艦が思いっきり傾き出した。……これは本当にまずいのでは。それより操縦士が全滅って。それでも戦闘民族の夜兎か。
その時ハッとした。待てよ、こんな時に助けてくれる奴が丁度いるじゃないか。身体を百八十度回転させて元来た道を急いで戻った。
まだゲーゲー状態のもじゃもじゃ二号は唸っていて。そんなことを無視し、縛られていた縄をそこら辺に落ちていた銃を打ち解いてやる。
「んあ?解けたぜよ。お姉さんありが__」
「昔、確か艦大好きって言ってたよな?」
「そうじゃがなんでそげなこと知っちょるんじゃ?…って痛たたた!!なんかこれデジャブぅう!」
バタバタと騒ぐもじゃもじゃを急いで操縦室に引きずりながら連れ込む。デジャブって前にもあったの。
「お姉さんよく見たら別嬪じゃの。わしと1杯付き合ってくれんか?」
「生きてたらな」
「……ん?おんしゃどっかで見たことあるような」
え、まさかわかってなかったの…?と、後ろを見る。すると思い出したのか思い出した!と声を出してあはあはと笑い出した。
「金時と高杉が同時に指名した遊郭の嬢ちゃんじゃなかぁ?久しいのぉ〜元気しとったか、ぐへッ」
よく分からないことをボヤくソイツを、丁度着いた操縦室の中に思い切り投げる。注目を浴びたのは言わなくてもわかるだろう。
その時、割れたサングラスから見える目と目が合った。
「アッハッハッハッ!その馬鹿力、Aちゃんじゃな!ひさしいの!」
「思い出し方雑すぎだろ」
もじゃもじゃ高身長のサングラス。アハアハと一日中笑い転げ、洋服に下駄とい奇妙な格好に身を包むその男。
攘夷四天王である一人、桂浜の龍 “坂本辰馬”
いやいや、そんなことより何?晋助と銀時が指名した遊女ってどこのどいつですか。
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水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年2月18日 19時