_十二訓 ページ13
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__白魔族
夜兎同様白い肌で戦闘民族。日光には強いが、回復力が少ない。
その寿命は普通の人間の二倍あり、蓮華の年齢だと十二歳なので人間年齢だと六歳となる。
大体三十路近くの年で容姿が止まるというなんとも羨ましい能力を持っている。だが、歳をとるにつれて身体の色素が抜けるため“白い悪魔”と呼ばれている。
「白魔、聞いたことはありますが随分前に滅んだんじゃ……?」
「だな。どうして君が生き残ってる?」
「俺でも聞いたことない種族だけどAは知ってた?」
「趣味でよく読書するんだけどそれで聞いたことがある」
「え、Aが本?似合わないなー」
「ぶっ飛ばすぞお下げ」
Aと神威が殴り合いをしてるのを阿伏兎は止め、その光景を蓮華は見ながら丁寧に切られた林檎を小さく一口噛じった。
二人を一団員が宥め、そんな絶滅危惧種の族がこんな所で何をしているのかを阿伏兎は聞いた。
「お母さんと一緒に居たら怖い人が来て…、逃げてたらここにいました。そしたらままともはぐれちゃって……」
「「……………」」
その怖い人とは目の前のA達だということを知らないだろう蓮華は、涙目でふるふると震えている。
彼女の母親はきっと亡くなっているだろう。そうだとは思っていたが、神威は何かを思いついたようにポンと手を叩いた。
「元いたところに返そうよ」
「バカ。塵になった星に戻せと?」
「えぇー……」
蓮華に気を使い、小声で話すAと神威。Aはため息を吐き蓮華を軽々と抱えた。
「……私が面倒見る」
「マジかよ」
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水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年2月18日 19時