＿十訓 ページ11
.
「ん〜……」
目覚ましのアラームが耳元で鳴り、その音に少し苛立ったためか、目覚めが悪い。ベッドから起き上がり、まだボヤける視界の中洗面所まで歩き顔を洗う。
長い金髪の髪を根元から毛先までよく梳かし、まだ慣れない手つきでてっぺんから二つに分けて耳ぐらいの高さで結ぶ。
……ツインテールなんて日頃してなかったし、なんならまだちょっと恥ずかしいし。
黒いタイツに白いチャイナ服を身に纏う。数センチある高めのヒールの靴を履いて外に出ると、丁度目の前のドアが開いた。
「団長。珍しいね、もう起きたの？」
「まあね、お腹空いたからさ」
腹時計か。この暴食魔人め。
＿＿＿…
「ずっと思ってたけどさ、Aって結構少食だよね。何？ダイエット？」
「デリカシーって言葉知ってる？」
「知らないね、そんなの」
「覚えようか」
私、星じゃあそこそこ有名だったからね。もちろん、悪い意味で。
職に尽きたくても付けなくて、近くの森で成る果物とかを取ってたから、逆にここでの生活が充実過ぎる。
団長とのリンゴの取り合いを食堂で繰り広げてる。周りの団員からの野次が邪魔だと思った。だって私のファンがいないんだ。
「ままッ………！」
突然、私の服をつかんできた小柄な女の子。
その手は細くて小さくて、良い環境で育ったとは言えない容姿だろう。
いや、それより待てよ。今この子私の事“まま”って言った……？
「……………は？」
「Aって子供いたんだ。それとも隠し子かなにか？」
「いや違う！違うぞ！断じて違うからなやじうま共！……たぶん」
「おーい！てめぇら聞いたか!?補佐さんまさかの既婚者だってよ！」
「だから違うって言ってるだろうがッ！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (
レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なな | 作成日時：2020年2月18日 19時
