食事＊４２＊ ページ42
「････は？なに、して･････」
『お腹が空いているんですよね？でしたら････』
震える腕で、彼の刀を心臓に誘導した。
正直、怖い。
死ぬことも、食べられることも、怖くないと言ったら嘘になる。
でも私は自分の言葉を嘘にしたくない。
助けたいっていう気持ちを、どんな手を使ってでも分かってもらいたい。
『私を食べてください。････あの、でも、美味しく頂いてくださいね･････！あとっ、美味しくなかったらごめんなさい･･････！！』
死を覚悟して目を瞑る。
きっと刺さったら痛いだろうけど、それは一瞬･･･！一瞬なら大丈夫のはず････！！
お母さん達にお別れ言えてないし、長義さんの言ってた審神者にも会いたかったんだけどなぁ。
少しばかりの後悔。でも、それもなくなるなら考えなくていいか。
･････だけど。
『ただ、あの言葉だけは違います』
「あの言葉･･･？」
『最後、残るものは何もないって････あれは違います。私がしてきたことは、貴方達を想ってきたことは、全て無駄なんかじゃないし、残らないものでもありません』
「！！」
見開かれた瞳に、しまった、なんてハッとする。
ああ、でもいいか。もう喋れなくなるのなら、このまま言ってしまった方が。
『鶴丸さん、何があっても大倶利伽羅さんの味方で居てください。彼は一人で背負い過ぎてるところがあるようですから』
「･･････」
『？あの、鶴丸さ』
「もういい」
刀を鞘に納め、深くため息を吐く鶴丸さん。
彼の瞳は狂気を消し、真っ直ぐ私を見つめていた。
「食欲が失せた。全く････どうしてそう、人を萎えさせること言葉ばかり言えるんだかな。････君みたいな人間は初めてだ」
『･･･っえ』
「初代でさえも俺達を見捨てた。いざ食うとなったら命乞いをして････思い出したくもないほど、醜く惨めな姿だった。あんなのが俺達を顕現した主だと思うと････今でも吐き気がする。でも、」
それでも、食う時は涙が出たな。
鶴丸さんは寂しそうに目を細めた。
････やっぱり。この人だって、本当は優しい人なん･･････だ･････。
「･･･？おい、どうし････。！！主！？」
慌てたように手を伸ばした彼の姿を最後に、私の意識は完全に切れた。
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みかづち(プロフ) - 雨蛙さん» ありがとうございます！更新頑張っていきます！！ (2019年6月1日 21時) (
レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
雨蛙 - 本当におもしろいです!久しぶりにこういう話を読んだので続きが気になります(///∇///)更新頑張ってください!! (2019年5月19日 18時) (レス) id: 43a251e5e3 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - 緑@最推し信濃さん» ありがとうございます！更新頑張ります！！(｀･ω･´)ゞ (2019年5月4日 11時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
緑@最推し信濃 - めっっっっちゃ、面白いです！！！更新頑張って下さい！応援してます(^o^) (2019年5月4日 8時) (レス) id: a246b0d986 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - みるくてぃ@毒占欲の人さん» そう言っていただきとても嬉しいです！！もう一つの方も頑張って更新します！！！ (2019年1月12日 18時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2018年12月20日 21時
