ねぇ、いいんちょー。【桃】

ねぇ ２１ ページ22

貴方side


多分先輩と思われる人3人について行くと



そこは3年生の教室の廊下だった。




貴「……えっと……どうかされましたか……？」



と聞くと



女1「あのさ、桜井さん。
さとみくんと付き合ってるの？」


と聞かれた。


貴「え……いや、付き合ってないです」




と正直に答えた。


だが、彼女たちの反応は予想もしないものだった。




女2「は？付き合ってないの？」


女3「じゃあさとみくんと仲良くすんなよ。」


女1「本気で好きな子に失礼だと思わないわけ？」



などと言われた。




貴「あの、私さとみくんと仲良くなんて、」


女3「は？委員も一緒なくせに？」


貴「あれはさとみくんが勝手に指名して、」


女1「なに、自慢？ムカつくんですけど」



そんなつもりは無いのに、どんどん彼女達の言葉はヒートアップして行く。



女2「こんな女のどこがいいわけ？？」


女3「さとみくん騙されてるんじゃない？」


女1「絶対そうに決まってる！
桜井さん。さとみくんをたぶらかすのやめてよね」



と好き勝手言われるものだから、



貴「だから！
私はさとみくんと仲良くなんて…！！！」






そういった途端ひだりの頬に熱が集まった。




熱い。



なに、これ。





それは頬を叩かれた後だった。




女1「…ずっとこうやられたくないなら、さとみくんと仲良くしないで。」


女2「ｷｬﾊﾊ！かわいそうだよ〜！」


女3「だってこいつ悪いし良くね〜？」





と、そう言いながら彼女達は帰っていった。







痛い。







涙がポロポロこぼれ落ちてくる。






怖い。







体が震え始める。








嫌だ。







私が何したっていうの、？






とりあえずトイレに行き、頬を冷やした。



冷やしても冷やしても赤くなっている。



…後で湿布はらなきゃ、



そう思っているうちに教室の前まで来ていた。





ドアを開けたら、いつも通りに接するんだ。


なにも、なかったかのように。






ｶﾞﾗｶﾞﾗ




さ「！いいんちょー！おか…え、」


貴「さとみくん待たせちゃってごめんね！」



机を見ると彼のおかげでほぼプリントは完成している。


貴「こんなに作ってくれたんだ！ありがとう！」



さ「いいんちょー、それ、」



貴「これは明日LHRで使うから、教室においてていいって言ってた！」


さ「いいんちょー！！！！！」




貴「っ？」

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