ねぇ、いいんちょー。【桃】

ねぇ １３ ページ14

貴方side


ガチャと扉を開けると、ちょうどさとみくんも出てきていた。



さ「お、いいんちょー。おはよ」


貴「おはよう、さとみくん」



同じタイミングで出てきてしまった……


さ「いいんちょーもこのくらいの時間なんだね」


貴「あ、うん。早めがいいかなって」


さ「なら、一緒にいこー」


貴「うん……って、え！？」


さ「どしたのいいんちょー？」


貴「だって、一緒に……？」


さ「どうせ向かう先は一緒でしょ？
なら一緒にいこーよー、ね？お願い」


と彼はｺﾃﾝと頭を傾けた。


うっ…………かわいい……


貴「う、うん…」


さ「へへっ、やった」




などと会話し、駅に着いた。

するとさとみくんが


さ「あ、そーいえばいいんちょー」


貴「？？なに？」


さ「昨日のカレー。めっちゃ美味かった。ありがとね」


貴「ほんと？よかった……」


さ「うん。美味しかったよ。また食べたいくらい」


貴「え？」


さ「また俺につくってねいいんちょー」


貴「う、うん！迷惑でなければ！」


さ「全然迷惑じゃないし、なんなら助かったよ。
俺普段自炊とかしないからさ」


貴「そ、そっか！わかった！」


電車が来た。


私は席に座った。

すると彼は私の前の吊り革を握った。



貴「…座らないの？」


さ「うん。こっちの方がいいんちょーの顔よく見えるから。」


貴「……何言ってんの……っっ」


さ「ふふ、照れてるの？いいんちょーかわいー」


貴「……はぁ」


さ「てか、まじ美味かったよカレー」


貴「それは良かったよ。甘口大丈夫だった？」


さ「うん。俺も甘口がすきだし。」


貴「そうなんだね。」


さ「いいんちょー。こんなにおいしいごはん作れるなんて、いいお嫁さんになるね」


貴「そ、そうかな？」






さ「なんならさ、俺のお嫁さんになってよ」





貴「……へ？？」


さ「おれの」

「お・よ・め・さ・ん♡」


貴「もうさとみくん！冗談はやめて！」



さ「ははっ」




さ「……やっぱり覚えてねぇよな……(ﾎﾞｿｯ)」


貴「なんか言った？？」



さ「いーや？なんでもないよ」

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