3話 入学試験 ページ4
試験の当日。
死ぬ思いで勉強した成果あってか、筆記の方はギリギリだろうけどいけるだろうと思える結果だった。実技の方は仮想ヴィランを倒していってポイントを稼ぐという自分にとってはあまりに簡単な試験だ。猫の様な軽い身のこなしでヒラヒラと攻撃を交わしながら尻尾の超パワーで仮想ヴィランをなぎ倒す。周りの自分と同じ歳の人間達も流石はヒーローの卵。思ってたよりみんな強そうだ。
(っと、これで38ポイント。)
得意の跳躍力で仮想ヴィランより高く飛んだ後、勢いを付けてひとつの尻尾で相手の頭目掛けて振り下ろす。...やりすぎたかもしれない。こんなに派手に行かなくても簡単に壊れるし、もっと目立たないように壊していこう。周りの引いたような驚きの目に気付いて場所をコソコソ移動する。
「っ危ない！」
咄嗟にそう声が出て、足が迷いなく動く。他の人間が壊した仮想ヴィランの大きめな残骸が、1人の女の子の後頭部目掛けて落ちてくるのを目の辺りにしてしまったからだ。え、と呑気そうに零した彼女に尻尾を伸ばして巻き付けると、強く引っ張る。一秒も立たないうちに大きな瓦礫の音が辺りに響いて腕の中の彼女は目を強く瞑った。土埃から身を呈して女の子を守ると、彼女は大きな瞳をぱちくりして状況に気付いたように声を上げた。
「わ、わぁ！！ ごめん！！ 今もしかして私危なかった！？」
「え、あぁ...怪我してない？」
「ありがとう、大丈夫！！ 助けてくれたんかっこよかったよ！！」
キラキラした笑顔を向けられて、思わずたじろぐ。そう言えばもう何年もヴィラン以外と、しかも同世代の女の子と会話なんてしてなかったな、なんて今更気づく。Aはバツが悪そうにそれじゃ、気をつけてと一言呟いて彼女に背を向けた。後ろでかっこいい女の子...とキラキラした目を向けられてるのに気付かずに。
(何やってんだ...人助けなんて、私は...)
＿＿私も大きくなったらヒーローになる！！
幼い自分を思い出してしまって、慌てて消すようにかぶりを振る。夢なんてもう捨てた筈だ。妹さえ守れればそれでいいって。その為には大嫌いで憎くてしょうがないヴィランにさえなってやるって。思った筈なのに...私は、本当は今でも...。
「はぁっ！！」
尻尾の回しうちを入れて大きな音を立てて仮想ヴィランは沈んでいく。無理やり心を消すように、私は残り時間ポイントを稼ぎまくった。
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まいちゃお(プロフ) - 小動物もふり隊さん» ご指摘ありがとうございます！ すみません直しました！ (2020年3月7日 18時) (
レス) id: 082892335f (このIDを非表示/違反報告)
小動物もふり隊 - １８話 復讐が復習になってますよ (2020年3月6日 15時) (レス) id: 38d491ffad (このIDを非表示/違反報告)
まいちゃお(プロフ) - Lilyさん» デリバリーガールwww本当ですねすみません、すぐ直します笑 そんなに楽しみにしてくださって貰うなんて凄く嬉しいです！！ありがとうございます！ (2019年7月30日 1時) (レス) id: 082892335f (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - 続きが気になって更新されたらすぐに読んでいます！頑張ってください！あとですね、リカバリーガールがデリバリーガールになってますよ。 (2019年7月30日 1時) (レス) id: 3d5bc7771c (このIDを非表示/違反報告)
まいちゃお(プロフ) - めだまやき。さん» ぁあああコメントありがとうございます！！！超絶嬉しいです！！頑張ります！ (2019年7月18日 23時) (レス) id: 082892335f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいちゃお | 作成日時：2019年5月23日 2時
