1月 ボクのボランティア報告 ページ28
青side
「僕な、大倉の事尊敬する。すごい!立派!!天才!!大統領!!!」
『…どうしたやす、酔うてる??』
***
今日は前に言うてた、近所のおじいちゃんおばあちゃんに習字教えるボランティアの日やってん。
場所や生徒さんの募集は、マスターや、おかあさんのツテで婦人会のおばちゃんたちが動いてくれて、僕は「呼ばれた時間に身一つで来たら良い」って言われててんけど…
めっちゃ緊張したー!!だってそうやろ?人様の先生、しかも僕より年配の方ばっかりやねんもん。緊張するに決まってるやんなー!
ガチガチで、会場になってるマスターの喫茶店に行って、ドアを開けた瞬間すごい拍手で出迎えられて、僕一旦、外に出たもん。
『どないした章大?』
追いかけて来てくれたマスターに「おかしいです…、僕、緊張ほぐすために30分前に来たのにもう生徒さん居ますし!」
『みんな楽しみにしてたんやな。…早よからうち来て、コーヒーおかわりしてるんもおるで』
「それになんであんなにいっぱい居るんですか??」
『田舎のコミュニティーは恐ろしいもんやな。ひとりがふたりに声かけて、その人らがまた違う人に声かけて…、あっという間に30人超えたから、慌ててスケジュール組み直したんやで』
「スケジュールを、組み直す??」
『そうやー。30人も一気に入らんからな、10人ずつにして…』
「ええー!じゃあ、かける3回やるんですか?」
『いや、後からもうちょい増えて4回…』
「ええー!!(涙)」
「まー、今になってごちゃごちゃ言うてもしゃーないしな、なんかあっても気心知れた近所の人や。そー力まんとまずはやってみ?」
…その声は
「おかあさん!!」
「ほれ、早よ始めんかい。みんな待ってくれてはるで?」
「てか、なんでおかあさんが居るん??」
『監視役兼、わしの手伝いや』
「ええー、余計にやりにくいー!!(涙)」
…八方ふさがり、五里霧中、四面楚歌、背水の陣
僕の頭の中では、去年詰めに詰めた文字の中から今にふさわしいものが次々と浮かび上がり、それがくるくると回っているような気がした
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作者名:青菜はやと | 作者ホームページ:
作成日時:2019年10月27日 21時