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「マスターの言う事はめっちゃわかりました。けどそしたら、…僕、どうしたらいいんでしょ」
『そのシェアハウスする場所ってどの辺なんや』
「えっと、今住所はわかりませんけど…」
大倉のマンションの下の駅名を答えると、目を見開いたマスターが『またえらい場所やな』って呟いてから地図を引っ張ってきた
『あー、ええのがあるわ。章大、ここに桜で有名な川あるん知ってるか?』
「あ!知ってます!!」
合格通知見た川や。マスターはその川の少し上流の所を指さして
『ココにワシの店があるから、そこ貸したる』
「……、、、ええ!?いやいや、ちょっと待ってください!店貸すって、僕、何日かバイトしただけやのに店とか無理です!学校だってあるし!!///」
『なんも章大に店任そうとは思ってないわ』
「へぇ?じゃあ一体どういう事なんですか?」
『ココ、店長やらしてた子が故郷で喫茶店開くことになってな、今は空き店舗になってるから章大が好きなように使ったらいいわ』
「え、でもお店でしょ?住めるんですか?」
『もちろんや。狭小やけど店舗兼住居やから2階に台所も風呂もトイレもあるし洗濯機も部屋の中に置けるで。ただし一間やけどな。いわゆる1DKってやつか。まー、男のひとり暮らしには丁度ええやろ』
「ひとり…」
『なにもずっとココに居れとは言わん。さっきも言うたけど、逃げ場になったらええんやから。…早い話が、普段はそのシェアハウスに居って、一人になりたい時とか、親が顔見に上京してくる時だけこっちに帰ればええねん』
「…でも、そんなん、もったいないんやないですか?」
『章大が日々楽しく暮らせるためならもったいない事なんてなんもあらへん。それにな、どのみち道楽で買った物件やし置きっぱなしよりかは誰かが時たま風通してくれる方がありがたい』
「マスター…、僕、甘えてもええんですか」
『あーええよ。その代りせめて月一でもいいからしっかり管理頼むで』
「はい!」
『よし、ええ返事や。これで問題解決やな?』
「はい!!!」
『じゃー、次はワシの相談事を聞いてもらおうかな』
「はい!……え?」
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作者名:青菜はやと | 作者ホームページ:
作成日時:2019年10月27日 21時