12月 ボクのほんとの試練 ページ17
青side
年末の乾いた空気の中こだまするのは、
僕とお母さんの言い争う声。
「するったらする！」
「させへんたらさせへん」
「するの！」
「…認めません」
「なんでよー！」
「…ワケは何回も話したやろ」
「だからー、絶対心配いらんてー！」
「だからー、絶対心配に決まってるてー！」
「もう！真似せんとって(怒)」
「…別に真似したワケやないけど、親子やし似てまうんやろな〜」
「とか言ってまた話逸らすやろっ！なんでそんなに心配って言うん？！」
「…大人にはわかるねん」
「それずるいわっ！」
「…しゃーないやろ。なんぼ大学受かりました言うたかて、まだまだなんも知らん田舎のおこちゃまやねんから。…経験豊富な年配者の言うことは聞くもんや」
「そうやっていい時だけ年寄りになる…」ボソッ
「なんか言うたか？」
「別にぃ！とにかくー、これは親孝行でもあるんやから、絶対するからねっ！」
「…ほんまにいい加減にしいや。高校生にもなって、お尻叩かれなわからんのか？」
お母さんがにじり寄ってきて腕を振りかぶったところで…
「はい。ストップ。…朝から庭先で大声出して仲の良い親子やなぁ…」
「郵便屋さーん！」
これはチャンス！！味方になってもらおう♪
「聞いてくださいよー！おかあさんが石頭で困ってるんですっ！」
「違いますー。息子が底抜けにアホやから困ってるんです〜」
「章大はアホちゃうやんなー。東京の大学受かったんやろ？」
「うん♪」
「それがこの言い争いの元や」
「？？…入学やめるとか言うてるんか？」
「そんな！せっかく入ったのにやめるワケないやん！」
「ほな、何を揉めよるん？」
「聞いて呆れたって…。この子な、東京の知り合いと、…えっと、なんやっけ？」
「シェアハウス！」
「あー、それそれ。それするとか言い出したんや」
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作者名：青菜はやと
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年10月27日 21時
