おくらとあおいおべんとうやさん４（緑＊青）

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車に乗ってもおくらは行き先を教えてくれなかった。



「お楽しみお楽しみ♪」って言うだけで



…楽しみってことは、不幸ゴトじゃないから、それは、まぁ良かったなって胸を撫で下ろして。目的地に着くまではチンと助手席に収まってるだけ。



程なくして「着いたで！」って車横付けしたんは、国道沿いにある店の前で



「駐車場探してくるし、やすは並んでて」



「え、…並ぶん？」



「早く早く！後ろから来てるカップルに先並ばれてまうで！」



「Σはいっ！」



鞭打たれた馬みたいにドア開けた瞬間にダッシュ！
…行列の最後尾どこ？あれ、道曲がってまだあんなに先？



「ひー！」



こんなに走ったん久しぶりー！(汗)



けど頑張った甲斐あって例のカップルより前に着けたし、途中で２組は抜いた！



ゼェゼェ…



「で、ココってナニ屋さんなん？！」



『Σ？！』



「ああっ、ごめんなさい」



心の声が大きくて前にいるおばちゃんびっくりさせてしもた！



「え、えっと、連れにとりあえず並んどけって言われて///」



ふぇーん、なに言い訳してんねん俺っ(汗)



『そーなんww。あ、因みにコレはラーメン屋の行列やよ』



「あ」



ラーメン！！



「おくら叫んでたな…」



『オクラ？』



「あっ、あ、違うんですっ、あー、そーですか。ラーメン。はははっ、人気なんですねぇ」



ラーメン。…ラーメン屋の行列。……晩御飯、ココでラーメン？………おでん、…作ったのに、なぁ



「やす、お待たせっ」



後ろから現れたおくら見て、色めき立つおばちゃん。仕事帰りのまんまやからええスーツ着てコート羽織ったまんまやもんな



…俺なんかパーカージーパンやのに。…不釣り合い。…どんな関係やと思われてるんやろ




　

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