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新月の夜にまたあの螺旋階段を上った。



前とは違って今回は”仕事”の最中ではないからパーカーにジーパン姿。だから後から上がってきたリョウが一瞬たじろいていたのは、まあ仕方ない。



そのリョウは真っ白なワンピースを着ている。さながら死装束か?



「遅い」



『…すいません』



「ビビって来うへんのかと思ったし」



『……、、、(涙)』



ま、実際にはビビるよな。目、くり抜かれるねんから。



「とりあえず、座れ」



『はい…(涙)』



俺は結果を報告する。そんな難しい話やない。もう二度と同じ目に遭う事はない。ただ、それだけ。



「コレでみんな心おきなく”リョウ”を応援出来る。よかったな、願いが叶って」



「あ、それと、序でに聞いてみたけど、注意点や改善点も無いらしいで」



ま、そんな事やろうとは思っていたが、ただの言いがかりだったってワケ。



『………、、っ、…、うっ』



「なんで泣くん?思い通りになったのに。あ、嬉しくってか♪」



ああ、またゾクゾクしてきた。いいな、コイツの恐怖に震えて泣く姿。



けど、もうこれ以上楽しませてもらっても悪いな。ナナシノゴンベをいたぶるんでだいぶ暴れさせてもらったしな。



も、いっか。



「さて。じゃ、このパソコンは返すな」



だらりと垂れ下がったままの手に無理矢理ソレを持たせて立たせる



「さあ。本日のメインイベントや。…約束通り、目、貰うで」



『…はっ、……はぁ、、や、やめっ、…や、…』



はぁー、ヤメてって声も出んくらい震えてる。怯えてる。…サイコーに興奮する



俺はリョウの腕を鷲掴みにして乱暴に金網まで連れて行くと、逃げ場を奪うように額同士をくっ付けて「右目、左目どっちがいい?」って囁いてやる



『…ひっ、……っ、……、、』



そら、答えられへんわな



ああ、本当に俺好みの女。ずっと腕の中でそうやって震えていて欲しいくらいに



けど、ジ・エンドや





























俺はリョウの前髪をかき上げると、そっと片目にキス



『!!』







「俺がその目を持ってても宝の持ち腐れや。だからその目はお前に預けとく。明日からは俺のためにせいぜい綺麗なモノいっぱい見ろよ」



腕を離す前にもう一度、貸してやった目にキスを落とし



「…前の名前」



『……』



「前のAに戻ってもいいんやない?隠れる必要もなくなったやろ」



それだけ言い残して、また、螺旋階段を降りた



end

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作者名:青菜はやと | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年10月5日 22時

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