8UPPERSのセカイ（eight） (ページ24)

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毎度お馴染みの変わり映えしない診察を終え、その足で会計に向かいながら聞き耳を立てると、付かず離れずの距離で足音が聞こえてくる。

よしよし、ちゃんと付いて来てるな♪

俺はそのまま振り向きもせず薬局に寄ってから駐車場に行き、自分の車の前で手を出すと、そこにさっと預けたキーが乗せられた。

～♪、わかってるやんけ

言葉を掛けなくても思い通りに行くんが心地よくて、柄にもなく助手席のドアを開け、ジョニーみたいにエスコートしてみたのに

『？』

「何キョドッとんねん。乗れって//」

こういうんは、さり気に付き合ってくれんと俺ばっかり恥ずかしいやんけ！///

『えー、でも、、』

「デモもヘッタクレもないんじゃっ、早よ乗れっ//」

『…はぁーい』

ノロノロと面倒臭そうにシートに収まったのを見てドアを閉めると、自分も運転席に乗り込み、

「let's go～♪」

『…私はどこに連れて行かれるんですか？』

「イイトコロ♡」

『…クスッ。…どうせそんな答えだと思いましたww』

「な、なんやねんっ。お前にも関係あるトコに行くんやからな、モンク言わんと黙って俺に付いて来いっ！」

『はーいww』

「な、何笑ってんねんっ、変なトコロに連れて行かれるかもしれんねんぞ？！」

『え、そうなんですか？…それは困ったなぁww』

さして困った風でもなく、ニコニコと笑ってるんがちょっと癪に触るけど、…イヤな気はせーへん///

しばらくそのまま走っていると、

『あ、コレ、どうぞ』

「は？」

信号待ちで目の前に差し出されたんは、紙に包まれた小さなお菓子？

「なんじゃコレ？」

『キャラメル。食べません？』

「…食べて欲しかったらカワ剥けや。サービス悪いのぅ」

『あ、すいません。気付かなくてww……ん、はい。剥けました。あーん』

「はあ？」

何を言うとんねん？！

『ほら、口開けて？』

「ちょ、待て。進み出したから横向けんし//」

『開けてくれたら、ほりこみますよ？』

「はあ？！」

『あ、そのまま！はいっ』

「うわっ！」

コロン…

「………あんまぁ(汗)//」

けど、なんか懐かしい味やな…

『美味しいですね～♪』

「………、まあまあやな///」

気の利いたBGMなんか積んでいない車内には、二人が奏でるキャラメルの「カラン」「コロン」って音だけが響いてた。