指に触れる愛が、２ (ページ19)

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“坂本、道端で堂々浮気か！？”

そんな見出しがつけられた週刊誌が発売されたのは、今朝のこと。これが本当なら私、坂本さんのこと許せない。

柚「Aさん、坂本さんが…」
『え？…あぁ、週刊誌のこと？もう知ってるよ～』

Aさんを自宅前で拾って、撮影現場に向かう途中。そう話を振ると、なんてことないようにAさんが答えた。

『朝一で電話あったの、勇人から。週刊誌のったけど事実無根やから～って』
柚「え、…あ、そうなんですか？」
『そー。あ、本持ってたりする？』
柚「あ、はい、ここに…」
『みーせて』

ペラペラの例の週刊誌を開き、記事を読むAさんはしばらくすると笑い出した。

…え…なに…

『なんか、あははっ、なんかさあ(笑)この、写真撮られた日、私と勇人この後デートしてたのね？やから勇人が電話でめっちゃ嘘書くやん！ってキレてたからそんな嘘書くことある？って思ってたけど…ホンマにめっちゃ嘘やん！と思って(笑)』

…めっちゃ笑ってるやん…
こういう記事って盛って書かれることが多いけど、Aさん曰くこの記事に関してはほぼ嘘らしい。

『“この後2人は繁華街の中へと消えて行った”とか消えてねーし！ってめっちゃキレてたよ(笑)ほんまウケるんやけど(笑)』
柚「…楽しそうで…なによりです…」

私は坂本さんにキレなくて済むってこと…だよね。先走らなくて良かったー…殴り込みに行くところだった。

柚「これから記者が来ると思いますけど…今まで通りノーコメントでいいんですか？」
『うん、え～よ。なんかあったら勇人が言うって』
柚「わかりました」

そんな感じでいつも通りなAさんを現場に送り届けて事務所に戻ると、白鳥さんが待ち構えていた。

白「Aなんか言ってた？」
柚「坂本さんから直接否定されたそうです。記事読んでめっちゃ笑ってました」
白「おー、さすがに2年付き合ってると違うな。あの記事は全面的に嘘ってこと？」
柚「はい。坂本さんの昔の遊び相手で、まだつきまとわれてるだけらしいです」
白「ふーん…じゃああの女の売名ってところか」
柚「ですね」
白「もう1回は記事出るな、そうなると」
柚「でますか？」
白「多分な。激白！とか言って出ること多いよ、そういう時は」
柚「そうなんだ…」
白「Aとは？接触してそう？」
柚「いや…多分してないかと…でも、」
白「？」
柚「なんかどこかで…見たことある気がするんですよねー…気のせいかなあ」