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無事に診察も終わり帰りのタクシーの中。お医者さんが言うにはやっぱり疲れからきたものだそう。点滴を打ってもらったら少し楽そうだったからちょっと安心した。
手をニギニギしてくる勇人の腕を逆手でさする。やっぱりまだ身体熱いなあ…
「ゴメンなぁ」
『ん?なにが?』
「せっかくの休みにこんなん…」
『ぜーんぜん、早く良くなってくれればそれでええよ』
「A〜…」
『なあに(笑)』
めっちゃ甘えてくるよ、可愛い(笑)
『お腹空いてる?』
「まあまあやな…」
『うどんあるからうどんにしよっか』
「それくらいで丁度ええわ…」
.
.
.
ふわふわと香ってくるいい出汁の匂いで目を覚ます。病院から帰ってきて寝てゆっくりしててと言うAの言葉に甘えてベッドでゴロゴロしていたらいつのまにか寝てしまっていたようだ。
あー、腹減った…
さっきまで全然なかった食欲が戻っていることに、体調の回復を感じる。
寝室を出てキッチンへ行くと、Aが立って鍋をかき混ぜている。その後ろ姿になんとも言えない愛しさが襲ってきて思わず後ろから抱きしめる。
『わっ!?起きたん?』
振り向いてくれたAがペタペタと俺の顔を触る。
『熱もう下がったっぽいね?』
「うん、だいぶ楽」
『よかった。お腹は?』
「めっちゃ空いた」
『ふふ、もうすぐできるよ』
朝からずっと看病をしてくれていたAには頭が上がらない。おかげで身体が軽い。
やっぱり良いお嫁さんになるなあ、こんな良い子といつか家族になれるんだな〜と考えると嬉しくなって、もう一度目の前の愛しい彼女を抱きしめた。
27. 愛されているという自信→←26.後ろ姿にすら愛しさが募る
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作者名:ハナ | 作成日時:2018年9月19日 23時