19 ページ19
急に爆豪から呼ばれ、まずい、と手を制服から咄嗟に離した。
｢ごめん…爆豪、強く握りすぎた｣
爆豪はくるっと身体ごとAの方に振り向く。
そして、壁に腕を着け、その間にAがくるような体勢になる。
｢ば、爆豪、なにして｣
｢うっせ、こっちのが俺も安定すんだよ。黙って大人しくしとけや｣
突然のことにAは驚くが、爆豪の言う通りだと思い大人しくなる。
爆豪の腕で、さっきの2人の様子は見えないが、多分近くにいるんだろう。
｢ごめん…｣
すごく胸がもやもやして、つい声が震えてしまう。
爆豪もその様子に気が付き、眉を顰める。
｢…あ？｣
そして、近くにいた轟と普通科の女子生徒の様子に気が付き、小さく舌打ちをした。
｢めんどくせ…｣
｢な、なにがよｯ!!…みみっちぃ爆豪にだけは言われたくない!!｣
｢あァ？！誰がみみっちぃだこらクソチビｯ!!｣
｢どうせ面倒臭い女だもん!!嫌な奴ですよ私は！！｣
｢そーゆーとこがめんどいんだよ！つーか腕から花生やすな‼刺さってんだよ！｣
｢え、それはごめん｣
爆豪と言い争いに夢中になっていたAの腕からは、トゲトゲとした花びらの花が咲いており、爆豪の筋肉質な腕に突き刺さっていた。
｢わ、血が、ごめ……わぁ！｣
腕から離れようとしたAを、爆豪がガシッと引き寄せて自分の胸に押し当てる。
｢いーから、見ンな、俺もお前の顔なんて見てねェ｣
｢……ｯ｣
言葉の意味を理解したAは、完全に爆豪に身を委ね、自分の顔を制服に押し当てた。
じわじわと胸の辺りが湿っていくのを感じ、爆豪は再び轟の方を見る。
轟も爆豪とAの様子に気が付き、雰囲気が鋭くなる。
その様子に普通科の女子生徒も驚き、轟は強く腕を払い除けて女子生徒を拒絶した。
傷ついた顔をしたが、それに見向きもせずに爆豪の方をじっと睨みつける。
なんとも言えない空気だったが、飯田の臨機応変な対応に、その場はおさまることとなった。
爆豪の胸から離れたAは、その目の前の制服の様子にぎょっと目を丸くさせた。
自分の涙、鼻水、ヨダレであろうもので広範囲に渡って濡れている。
｢うぅ、ごめん爆豪…、制服がぁ……｣
｢……汚ぇ……｣
｢うああああ、、ごめんってぇぇ｣
｢ちげぇよ、お前がだよ、ほら、泣くなもう｣
爆豪は自身の指でAの涙を丁寧に拭っていく。
Aは、近くで見ている轟に気がついていなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 222人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぇな(プロフ) - 更新頑張ってください！待ってます！ (2020年3月22日 9時) (
レス) id: 339945d703 (このIDを非表示/違反報告)
かずは(プロフ) - かっこいい2人の小説でとっても楽しみに読んでます！ それと、夢主設定で、女の子作ってたじゃないですか、そのアプリなんて言うアプリを使っているんですか（具体的に）？よければ教えてください！！これからも楽しみにしています！ (2020年3月4日 14時) (レス) id: e2db7e070d (このIDを非表示/違反報告)
和乃佳 - スッゴク好きです(*´∀`)♪イケメン二人の夢小説きたｧｧｧ！！！って叫んでおりました(゜∀。) (2020年3月2日 8時) (レス) id: b2b337d8a8 (このIDを非表示/違反報告)
晴香(プロフ) - 青い夕日さん» コメントありがとうございます！あるある要素これからもっと入れられるように頑張ります。 (2020年3月1日 21時) (レス) id: 132c2747c4 (このIDを非表示/違反報告)
青い夕日 - タイトルが面白い。好きな子には意地悪してしまうのは男子のあるあるですよねぇ。爆豪がそういう系って想像するのわかります。更新頑張ってください！ (2020年3月1日 20時) (レス) id: e84367e7a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：晴香 | 作成日時：2020年2月16日 16時
