12.痛い。 ページ13
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※暴力表現入ります。嫌いだ、という方はお手数ですがUターンお願いします。
水曜日の放課後だった。
いつも切島くんと上鳴くんと瀬呂くんとかっちゃんと私の五人で途中まで帰ってるんだけど、今日は彼女さんとの三周年記念だからとかっちゃんは先に帰った。
みんなで「惚気けてるねぇ」「惚気けてますねぇ」と笑いながら帰った。
楽しいんだけど、やっぱり何かが足りなかった。
彼は、満たされてるのにね。
家の前に着いた瞬間に分かった。
家の雰囲気が違う。
嫌な予感がして、ゆっくりとドアを開けてリビングに向かう。
_______________ ほら
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『おとう、さん』
父「あ？」
酒に溺れ、タバコに溺れ、女に溺れてしまった父。
おかしくなるのは、当たり前だった。
『お帰り、なさい……』
父「遅せぇじゃねぇか、緋色。あ？テメェ、また一丁前に男と遊び歩いてたんじゃねぇの？」
そう言って、父 _______________ 龍之介は私を睨んだ。
“緋色”というのは、私の実の母親である。
髪や瞳の色は、母譲りのものだった。
だからだろうか。
父は私を緋色と呼ぶ。
私は、元から居なかったかのように。
『ごめ……なさ……』
龍之介「聞こえねぇよ！！！！」
そう言って父はおもむろにソファから立ち上がり、私を突き飛ばした。
ガンッという鈍い音と共にズキズキと鋭い痛みが走る。
龍之介「お前、お隣の爆豪さん家にお世話になってるらしぃなァ。あばずれの癖に勝己くんとか若いヒーローの卵引っ掛けてんじゃねぇの？」
『引っ掛けてなんかないよ。それに私は……緋色じゃな 「俺に逆らうのか！！！！」
パンっと乾いた音がして、痛む左頬を摩る。
一緒にサッカーをしてくれた、優しい父は居ない。
一緒にテレビを見て芸人のモノマネをした、面白い父は居ない。
一緒にヒーローの特訓をしてくれた、強い父は居ない。
父は、弱くなった。
その分、違うところで強くなってしまった。
龍之介「ガキ……ガキがっ！！アイツさえ居なけりゃ……！！！死ねっ！！死ねぇ！！」
一通り私を殴り終えた父はまるで最初から私なんて居なかったかのようにブツブツと私の悪口を言い始める。
龍之介「そもそも……なんで雄英高校なんて高い学費のところに俺の許可なしで行ってるんだよ！！！ふざけんな！誰が金を払うと思ってる！！！！」
そしてまた、怒りの矛先が私に向くんだ。
あぁ、痛いなぁ……
心も、体も。
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なつめ(プロフ) - 湊真さん» コメントありがとうございます！うわぁぁぁぁぁぁぁ！嬉しいです！他作品もよろしくお願いします！ (2020年2月9日 10時) (
レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 爆豪推しさん» コメントありがとうございます！後日談、書いてみようかと思います！しばしお待ちください！ (2020年2月9日 10時) (レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
湊真(プロフ) - 久しぶりにＭＨＡ関連で号泣しました・・・！！お疲れさまでした！！ (2020年2月9日 9時) (レス) id: e706ac4195 (このIDを非表示/違反報告)
爆豪推し - とても面白かったです！！ その後の事が気になります！！ (2020年2月9日 8時) (レス) id: 21ba795355 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 桜ひかりさん» コメントありがとうございます！頑張ってみます！！ (2020年2月8日 20時) (レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつめ | 作成日時：2019年12月15日 17時
