私 が 、し っ か り し な き ゃ 。【冨 岡 義 勇】

8.しっかり ページ9

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私はそっと耳を傾けた。





花咲「みぃんな私の味方をしてくれているの。何年も一緒にいたアイツよりも出会って半年ほどの女に。私の方が可愛いの。強いの。信頼できるの。あぁ、面白い」





やっぱり、義勇さんはこの人に渡したらダメだ。



そう思い、私は草むらから出た。





『花咲さん』





花咲さんはピクリとすると、ニヤッと笑ってこちらに振り向いた。



私はそっと金色に光る刀を鞘から抜いた。





『そこの……煌牙さんっていう人。鬼ですよね？なんで炭治郎くん以外の鬼殺隊が鬼と一緒にいるんですか』



花咲「いいでしょ、別に。私は彼のおかげで鬼殺隊や柱としてやっていけてるの。それに竈門くんも鬼と一緒に過ごしてるじゃない」





柱になるために鬼と一緒にいる？



鬼を斬っているのも鬼の力？



炭治郎くんと禰豆子ちゃんが、その鬼が一緒……？





『笑止千万！禰豆子ちゃんは人を喰っていない！人を守ることが出来る鬼だ！！あなたみたいに人を何十人も喰ってなんかいない！』



煌牙「人を喰ったってよく分かったね」





煌牙はニヤリと笑った。





『私はあなたを斬ります。それで花咲さんのことをお館様に報告します』





いいですね、と睨むが二人ともちっとも怯んだりしない。





花咲「アンタに私が斬れるかなぁ？」





花咲さんが笑うと、煌牙が花咲さんに手を伸ばすとスルスルと入っていった。



つまり、煌牙さんが花咲さんの体を乗っ取ったという形になる。



私は迷わずに刀を振りかぶり、花咲さんの肩に刃を振るった。





花咲「痛い！！！」





血飛沫が飛び交い、花咲さんが叫んだ時だった。





？「何をしている！！」





私の腕を誰かが掴んだ。



煉獄さんだ。





『離してください。私は鬼を斬らなければならない！』



煉獄「よもやよもや！よく見るのだ！花咲だろう！」



胡蝶「陽溜さん！？」





煉獄さんが私を止め、しのぶさんは花咲さんの止血に入る。





『この人は、鬼を飼ってます！首を、斬らなければなりません！』



胡蝶「あなた……」





しのぶさんが立って、こちらに向かってくる。





バチンッ





冷たく、乾いた音が聞こえて、ふと我に返る。





胡蝶「信じられません」





しのぶさんは涙を浮かべると、再び花咲さんの治療に入る。





？「騒がしいぞ」





その声に、肩をビクつかせる。





？「A……？」





久しぶりに見る、彼_______________義勇さんの顔は酷く、驚き、怒りを宿っていた。





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