私 が 、し っ か り し な き ゃ 。【冨 岡 義 勇】

6.しっかり ページ7

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幼いとき、私は母親の浮気相手の娘ということから五歳になったその晩に捨てられた。



無論、愛されてなど居なかった。



寒くて、寒くて凍えそうで、幼い私にはなぜ捨てられたのか、なぜ愛されなかったのかが分からなかった。



大分山奥に捨てられたが、たまたま通りかかった現在私が“父さん、母さん”と呼ぶ、陽溜 陽大さんと、光希さんが私を拾ってくれた。



その後すぐに弟の太陽が産まれて、弟なんて出来たこと無かったけど不器用ながらも大事にしてきた。



太陽はほんの少しわがままだったけど、妹の陽葵が出来てから、とても優しい男の子になった。





でも、その半年後に大好きな両親は鬼に喰われた。



私はたまたま、四歳になったばかりの太陽と陽葵を連れて川に水を汲みに行っていた時だった。





辺りは夕暮れでも分かるくらい全部真っ赤に染まっていて、両親の死体は原型が留められぬほどにぐちゃぐちゃで、弟と妹にそれを見せないように逃げるのに必死だった。



そんな時に噂で“鬼を狩る 鬼殺隊という組織がいる”ということを耳に挟み、私は我流である太陽の呼吸を使って最終選別を生き抜いたのだ。



最初の試練、癸だった頃に山で捨てられていた赤ん坊が陽介だったのだ。



昔の私と重ねた。



寒くて、苦しくて、寂しいところに産まれたての赤ん坊がひとりぼっち。



私は赤ん坊を引き取り、育てた。





太陽も、陽葵も、陽介も。



誰も頼る者がいないのだ。



私が頼られるようにならなきゃいけない。





だから、





『大丈夫だよ。心配かけてごめんね、太陽、陽葵、陽介』





私が、しっかりしなきゃ。





▽▽▽





こんばんは、皆さん！





なつめです。





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今のところ冨岡さんがあまり出ていませんが、次回からドンドンバシャバシャ出すつもりなので、楽しみにしていてください。





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