41.しっかり ページ42
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▽冨岡 side
日が沈んで間もない頃、俺たちは常闇ノ森へと訪れていた。
獏「……ほんとに来たんだ」
そう言って獏は少し意外そうな顔をした。
不死川「テメェ、準備は出来てんだろうなァ……?」
獏「俺はいつでも。そっちこそどうなんだよ」
時透「僕達はいつでも行ける」
獏「お姉さんは?」
全員で振り返った。
胡蝶を。
胡蝶「私は……私は、大丈夫です。Aさんを取り戻すことに命は惜しくありません」
胡蝶の決意に、俺たちはより一層気持ちを高ぶらせた。
獏「んじゃ、最後にひとつ。聞いていなかったことがある」
獏の問いに俺たちは顔を見合わせた。
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獏「お前ら……」
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獏「お嬢さんをこんなにするまで、何したんだよ」
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何も、言えなかった。
口に出したら、これまでの決意が全部壊れてしまいそうで。
Aに会うことを拒んでしまいそうで。
「俺たちは、アイツを。俺たちのことをずっと信じてくれていたアイツを、裏切った」
俺たちは獏に全てを話した。
Aの家のこと、花咲と鬼、Aに言った言葉、行ったこと。
獏は、表情は変えはしないものの楽しそうではなかった。
分かっていた。
Aにとって“鬼殺隊”という存在が
どれだけ大きくて、
どれだけ大切で、
どれだけ生きる意味になっていたのかを。
それを俺たちは容赦なく捻り潰したんだ。
花咲というたった一人の鬼が、俺たちを壊した。
俺たちという名の鬼が、Aを苦しめた。
居場所を奪い去り、
家族を傷つけ、
心に深い傷を負わせた。
Aはもう二度と戻ってこないもしれない。
もう二度と会えないかもしれない。
でも。
それでも。
「もう一度、アイツと……Aと会いたい」
獏はしばらく黙るとこう言った。
獏「_______________ 月が南中になったら行くぞ」
俺たちは頷いた。
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⊃あ゙さん。⊂ - 最高でした!!!面白かったです!他の作品も頑張ってくださいね!!! (2020年5月28日 23時) (レス) id: f0480ad40d (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 情報ちゃんさん» コメントありがとうございます!獏やっぱりカッコイイですよね〜!!獏めっちゃ人気高いです笑 (2020年2月29日 22時) (レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
情報ちゃん - 最初の顔がいいから冨岡さんが好きって言った悪役の子マジで許さん!実弥さんのがかっこいいやん!とか意味分からん事で怒ってました()とても神作ですよ!獏めっちゃいい奴で惚れた!主様の作品他のも読んでますが最高です!これかも応援してます、 (2020年2月27日 18時) (レス) id: 856e5af163 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - るなさん» コメントありがとうございます!獏はかっこよく書こう!と思って書きました。惚れますよね......./////これからも応援よろしくお願いします。ご愛読ありがとうございました!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
るな - 完結したのしばらく気づかなくてみるの遅くなってしまったことがただただショックです…。ほんとに素敵な話でした。獏にほれそうです。ネタバレになるので内容どこまで書いていいのかわかんないのですが、かまぼこ隊の子達がいい子過ぎますね笑これからも応援してます! (2020年2月21日 15時) (レス) id: e3f988178b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつめ | 作成日時:2019年10月22日 16時