幼なじみが落とそうとしてくる。【五条悟】 (ページ8)

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7. 冗談じゃねぇよページ8

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いよいよおかしくなったのかと思った。
どこをどう見て、私が夏油くんを好きと？
あの言葉だけで判断したの？

____むくり、といたずら心が芽生えてしまった。

いつもいつも、悟にひどいことをされてばかりの私。
ここで、『うん、好き。』と言えば、「無理に決まってんだろ。」とか言って、すぐさま否定してくるだろう。
でも、その後に、嘘ということを伝えたら……どんな反応が返ってくるのか、わくわくしてしまう。

私からの、軽い仕返しだ。

『うん、好き。
恥ずかしいから聞かないでよ…。』

自然と上がりそうな口角をなんとか抑え、嘘をついた。
しかも、照れている演技付きで。
主演女優賞を狙えるのでは？

「は……？
俺にしろよ。」

予想とはまったく違う返事に、緩んでしまいそうな表情が固まった。

『へっ…？』

間抜けな声は、両肩を掴まれたことによって宙に消えた。
ぐるん、と体の向きを軽々と変えられ、悟と向き合う形になる。

「傑なんかやめて、俺にしろって言ってんの。」

いつもの飄々とした感じとは真逆の、真剣な表情で見下ろされ、心臓がドクリと嫌な音を立てた。
今朝の冗談の続きだろうか。

＂「俺が付き合ってやろうか？」＂

『ごめん、冗談だから…。
夏油くんのこと、好きじゃないから…。
だからさ、そっちもそんな真剣に冗談言わないでよ。
朝のも…。』

ギリッ…と肩を掴む力が強まったことに焦りを感じ、とっさに謝った。
これで一件落着してくれるだろうと、淡い期待を抱いてしまった私がバカだった。

「冗談じゃねぇよ。」

『え？』

「俺、Aのこと好きだよ。」

視界がグラリと揺れた。
頭が働かない。
反芻されるのは、悟の言葉だけ。

____悟が、私のことを好きだって…？
そんなはずがない。
そんな素振り見せてきたことないし。
「嘘に決まってんだろ、バーカ。」なんて言葉が、返ってくるに違いない。

『う、そ…だよね？』

「…本当。」

心臓が、飛び出るかと思った。

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