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145.嫌い 〜無一郎side〜 ページ10

『遅い。』



思わず独り言を呟いた。
終電が着いてから5分は経ったけど、駅からAは出てこないし、LINEも来ていない。
もしかしたら、南口にいるかも。



駅の階段をタンタンと上り、南口に向かった。
南口はロータリーになっているので、車が数台停まっていて、1台だけタクシーが停まっていた。



「着いたぞー。」



ドアが開くと、中から男が出てきた。
その人はタクシーのドアを持ちながら、乗っている人に話しかけているようだった。



「起きろって、A。」



……A!?



「んー…ごめん、爆睡だった。」



同名の子だと思っていたけど、中から眠そうな顔をしながら出てきたのは、紛れもなくAだった。
誰なの、その人。



『Aっ!』



わざと大きな声を出すと、Aはすごい勢いで俺の方を見た。
そして、大きな声で「無一郎!?」と言ってきた。
隣の人も俺のことを見た。
……ゲッ、東雲海斗だ。



Aのことは何でも知ってるから、この人も知っている。
Aの元カレで、一番最低な人。
浮気野郎だよ。



「えっ!?
無一郎って…時透!?
まさか、彼氏って…?」



驚いている東雲を他所に、俺はズンズンとAに近付く。
そして、Aの肩を抱き、自分の方へグイッと引き寄せた。




『久しぶりー。
そう、俺、Aと付き合ってる。』



東雲を敬遠するため、わざとそんなことをした。
Aは恥ずかしそうに顔を赤くしている。
すると、東雲は「へぇ。」と言ってニヤッと笑った。



「美男美女か。
お幸せにー。」



東雲はヒラヒラと手を振ってタクシーに乗り込み、そのまま行ってしまった。
俺、東雲のこと嫌い。

146.やきもち無一郎→←144.タクシーにて



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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , ふろふき大根   
作品ジャンル:恋愛
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モフ猫 - ごーじょーっていうのは多分、強情を張っているっていう意味じゃないですか? (6月12日 17時) (レス) @page23 id: f4a3fdd8a7 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - うわー海斗最低ですね。無一郎頑張って守って❗ (5月8日 10時) (レス) @page40 id: 95d1cd5894 (このIDを非表示/違反報告)
無一郎 - ごーじょーって何ですか? (2021年3月17日 16時) (レス) id: 2453d18e4c (このIDを非表示/違反報告)
むゆ(プロフ) - 朔夜さん» 私も食べた……笑 歯磨き粉って言ってる意味がわかった瞬間やった……。 (2020年8月10日 6時) (レス) id: 38565869ab (このIDを非表示/違反報告)
蝶夜月(プロフ) - 朔夜さん» お酒美味しいんですか……?なら私も飲んでみようかな← (2020年8月9日 20時) (レス) id: d2b0ff775b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔夜 | 作成日時:2020年8月1日 20時

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