157.肩書き ページ22
『無一郎さん?』
「はーい?」
『今日、私の部屋に何しに来たんですか?
春休みの課題ですよね?』
「そうですよー?」
『分かってるなら離れてください。』
私はカリカリとシャーペンを動かして課題をしているのだが、無一郎は後ろから私をずーーっと抱きしめたままだ。
彼が持ってきた鞄は、その辺に無造作に転がっている。
「ここに来るまでは課題のこと考えてたんだけど、Aと会ったら吹っ飛んじゃった。」
語尾にハートが付きそうなぐらい、ルンルンな声で答えた。
『そうですか。』と答え、涼しい顔で課題に取り組み始めた。
最近の無一郎はひどい。
甘えた、くっつき虫、キス魔、ただのすけべ…。
肩書き増えすぎ。
「かまってー。」
ペロッと耳たぶを舐められた。
『ひっ!』と声を上げ、シャーペンを机の上にコンッと落とした。
両耳を押さえて振り向くと、無一郎はニタニタと微笑んでいる。
「感じちゃった?」
『バカ!』
ピシッ!と勢いよくデコピンをした。
自慢じゃないけど、私のデコピンは痛くて有名だ。
無一郎もやっぱり痛かったようで、「痛いなぁ。」と言いながらおでこを撫でている。
『課題するから。』
プイッと正面を向き、課題に視線を落とす。
あと、このA4用紙半分で終わ…___ちゅっ。
631人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モフ猫 - ごーじょーっていうのは多分、強情を張っているっていう意味じゃないですか? (6月12日 17時) (レス) @page23 id: f4a3fdd8a7 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - うわー海斗最低ですね。無一郎頑張って守って❗ (5月8日 10時) (レス) @page40 id: 95d1cd5894 (このIDを非表示/違反報告)
無一郎 - ごーじょーって何ですか? (2021年3月17日 16時) (レス) id: 2453d18e4c (このIDを非表示/違反報告)
むゆ(プロフ) - 朔夜さん» 私も食べた……笑 歯磨き粉って言ってる意味がわかった瞬間やった……。 (2020年8月10日 6時) (レス) id: 38565869ab (このIDを非表示/違反報告)
蝶夜月(プロフ) - 朔夜さん» お酒美味しいんですか……?なら私も飲んでみようかな← (2020年8月9日 20時) (レス) id: d2b0ff775b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朔夜 | 作成日時:2020年8月1日 20時