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219.恋しくてたまらない ページ39

何かに集中することは昔から好きだ。
だって、余計なことを考えずに済む。



食器がカチャカチャと鳴る音、チャプン…という水の音、ゴシゴシと食器を洗う音。
生活音がある方が集中できるタイプだ。



でも、今回は集中できない。
無一郎に触られた場所が持っている熱が、私の集中を欠くのに十分な材料だった。



『もーっ…。』



へにゃっと力が抜け、シンクの縁を掴んだままその場に座り込む。
そして、ハァッと大きな息を吐いた。
耳も、うなじも、頬もジンジンと熱い。
今日の私…やばいかもしれない。



「A、どうしたの!?」



振り向くと、慌てて駆け寄ってくるお風呂上がりの無一郎。
しゃがみ込んでたら、何かあったかと思うのが普通だ。



「しんどいの?
洗うの変わろうか?」



私と同じようにしゃがみ込み、頬に優しく触れてきた。
胸がきゅうっとなり、無一郎が恋しくてたまらない。



『ううん、大丈夫だから…。』



胸の辺りをギュッと握っている私を見て、「絶対に大丈夫じゃないよね。」と言い、頭を撫でた。



「ソファーで休んでて。
後は俺がするから。」



その甘さでまた胸がきゅうっとなる。
このままだと締めつけられて死んでしまう。
だから、ちょっとでも緩めるために口を開いた。



『っあ……。
好きっ…。』



緩めるために開いた口から勝手に言葉が漏れた。

220.緊張の糸→←218.何枚も上手



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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , ふろふき大根   
作品ジャンル:恋愛
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ひろか - あーー!もーー!興奮が収まりません!ちょくちょく出てくる原作の台詞とかもう最高でした!刀鍛冶編の「おい、いい加減しろよ、クソ野郎が。」の台詞には赤面でした!刀鍛冶編で、私の中で、top3には入る台詞だったのでもーあーあーって語彙力がなくなりました。 (3月9日 0時) (レス) @page47 id: 57ea2d5713 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - 海斗から助けた所がものすごくかっこよくてもっと無一郎の事好きになりました♥️ (5月8日 11時) (レス) @page44 id: 95d1cd5894 (このIDを非表示/違反報告)
もろん - 完結おめでとうございます!!(終わってほしくないよぉぉぉぉ)とっっっっっっってもオモシロかったです!! (2021年6月8日 14時) (レス) id: 2c8540451a (このIDを非表示/違反報告)
むむいむい君 - 完結おめでとうございます。いやもうマジで無一郎最高すぎる終わらないでーー (2020年12月12日 2時) (レス) id: fa7814fbb8 (このIDを非表示/違反報告)
無一郎 - 完結おめでとうございます!あの...また新しく無一郎くんの小説書いてもらえますか? (2020年11月21日 3時) (レス) id: 16e352d00b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔夜 | 作成日時:2020年8月9日 19時

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