検索窓
今日:2 hit、昨日:20 hit、合計:314,177 hit

90.好きです。 ページ44

ドクンドクンと体が脈打つ。
無一郎にまで聞こえてしまうんじゃ…。



「ね、早く。」



無一郎の綺麗な顔が私のことを見下ろす。
何のことか分かっているのに、『何が…?』と小さな声で聞いた。



「分かってくるくせに。
Aが自ら言うのを待っていたら、おじいちゃんになっちゃいそうだもん。」



くつくつと笑い、親指の腹で唇をなぞってきた。
その感触にぞくりとする。



『ここで…?』



ここは駅までの大通り。
辺りには人がいっぱいいるし、私でなくても恥ずかしい場所だ。



「うん、ここで。
誰も見てないし、聞いてないから。」



確かに、私たちのことは目にもくれず歩いている人ばかり。
でも…___



『恥ずかしいから無理…!』



無一郎の胸に手を当てて距離を取ろうとしたが、腰に回された手の力が強すぎて離れられない。
悔しさのあまり下唇を噛んで見上げると、いつもへにゃっとしているはずの彼の顔が、いつになく真剣だった。



「10年も待ったんだよ?
いい加減に素直になって。」



無一郎は10年間も私のことを好きでいてくれたし、待ってもいてくれた。
それなのに、私のくだらない意地のせいで余計に待たせてしまった。
好きなのにね…。



私の手は無一郎の胸に置かれたままだった。
その手をギュッと握り、彼のアウターを掴んだ。
何かに掴まっておかないと、力が抜けてしまいそう。



『あの…さ…。』

「うん。」

『私、かなり勇気出して言うからね…。』

「うん。」



無一郎が私のことを優しく見つめる。
何個目の心臓が口からまろび出たのだろうか。
もう、数えられないぐらいだ…。









『無一郎のことが好き…です。
10年間、待たせてごめんね。』

作者より→←89.早く言ってよ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (224 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
607人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎 , ふろふき大根   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

優衣 - 無一郎がかっこよくてずっと心臓がドキドキしっぱなしでした♥️ (5月8日 10時) (レス) id: 95d1cd5894 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 竈門夜蝶さん» 仲間!!高いけど可愛いんよ!貢いでまう…。時計もかわいいやろー?\(^o^)/ (2020年7月22日 22時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - かすみんさん» もっと舞い上がらせるぜ!! (2020年7月22日 22時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - むいくん推しさん» やっとやで!お待たせしました!!続編がんばる(ちゅ (2020年7月22日 22時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - マナフィさん» ありがとうございますぅ!!好き!!(ぶちゅ (2020年7月22日 22時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:朔夜 | 作成日時:2020年7月12日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。