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143.ごもっとも 〜炭治郎side〜 ページ7

集合場所付近を探したり、何度も電話をかけたりした。
でも、見つからなかったし、出なかった。
俺たちに、大きな溝ができてしまった…。



「あ、竈門くん。」



前の方から俺の名前を呼ばれたので顔を上げた。
ここは、俺のアパートの近くだ。
何でここにいる。



『宇髄?』
「やっぱり竈門くんかぁ。
で…何してたんだよ、テメェ。」



ニコニコと笑っていた顔が、一瞬にして冷ややかな目になった。
この場所と、全部を知っているようなこの言い方。
…まさか。



『Aに会ったのか…?』
「お前との待ち合わせ場所でたまたまな。
ずっと待ってたんだとよ。」



宇髄は吐き捨てたように言うと、目を細めて俺のことを睨んできた。



「なのに、元カノとかふざけんな。
Aをひとりにしてどうすんだよ。」



宇髄の言うことはごもっともだ。
だから、俺は何も言い返すことができず、体の横にダラリと垂れた手にグッと力を入れ、握り締めた。



「俺、お前ならAと上手くやっていけると思ってたのによ、残念だわ。
俺ならアイツのこと、こんなしょうもないことで泣かせはしない。
だから、俺にしとけよって言っておいたから。」
『は…?』



顔を上げると、宇髄の口角が少し上がった。
そして、少し嬉しそうな匂いがする…。



「普通ならそこで、お前と付き合っているから無理だとか言うと思うんだけどよぉ。
断らなかったからな、A。」



頭を鈍器でガツンと殴られた気分だった。
Aの気持ちがぐらついているのだろうか。
嫌だ…嫌だ…。



『Aはどこにいるんだ。』
「部屋にいるけど、会ってくれねぇと思うぞ。
まっ、せいぜい頑張れや。」



宇髄は鼻で馬鹿にしたように笑い、俺の隣を通り、歩いていった。
少し嬉しそうな匂いに加え、余裕感のある匂い。
俺は急いでAの部屋に向かった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , とんでもねぇ   
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ともりん - ここでも言わせてください!!とーんーでもねー炭治郎だ!!!(((すいません (2020年8月7日 22時) (レス) id: 66f9aed7aa (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅の刃大好き - 続編もとってもおもしろかったです!あぁ、現実にいてほしいっっ!(笑)これからも頑張って下さい! (2020年7月3日 23時) (レス) id: 7db63c5bfe (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 続編読みました!面白かったです。これからもファイトです!! (2020年6月3日 20時) (レス) id: 1d8abed5fa (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 竈門夜蝶さん» 熱いキスやで(ぶっちゅうううう (2020年6月3日 20時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 如月 哀華さん» いええええええええいいいいいい!!! (2020年6月3日 20時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔夜 | 作成日時:2020年5月29日 21時

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