・ ページ12
「─ぃ！ ……まえ！！」
「ん…んあ？」
少女が目を開くと、真っ先に飛び込んで来たのは男の顔だった。どうやら自分は誰かに気絶させられたらしい。
「やっと目が覚めたか。大丈夫か？外傷は無いみたいだが…まさか家出か？」
少女が目覚めて早々、質問攻めにする男。
自身を気絶させたのが目の前の男なのか少女は一瞬警戒したが、あまりの相手の隙の多さにそれは無いなと自己完結させる。
ふと辺りを見回すと、昨日狙っていた死体は何処かに消え去っていた。
……食いっぱぐれたか…
少々残念に思いながら、少女は男に目を合わせる。
「なんだ？さっきから喋らねーが。声が出ないのか？」
「いや、出ます。ご迷惑お掛けしました。」
「あっ、おい！無理して立つんじゃねぇ！」
「無理はしてないです」
「嘘つけ。おぶってやるから！家は何処だ？」
そう言って背を見せ屈む男に少女は呆れながら心の中で賞賛していた。
なんてお人好しなんだ、と。
「家は無いです」
「は！？じゃあお前、どうやって過ごして…」
「寝れば治ります」
「話聞けー！！」
男が怒鳴る中、少女は背を向けスタスタと歩いて行く。が、突然少女はドサリと倒れてしまった
胸が焼けるように熱い、なんだ、これ。毒？
「おい！ だから言ったじゃねぇか！」
あぁ、なるほど。
私を気絶させた犯人、わかったかも。
焦る男とは対照的に、少女はひどく冷静でいた。
気絶ついでにこんな毒を盛るなんて行為、私にやろうとして出来るの。あいつしかいないな…
暗くなっていく視界の中少女が思い浮かべたのは、黒い髪をなびかせるあの男。
「はは、やっぱ、あの人………私のこと嫌いだろ」
自虐的な笑みを零して、少女は意識を手放した。
「これはあいつに使った毒の解毒剤。俺としてもあいつは死なせたく無いんだけどー……お前の障害になるようじゃ、ねえ？」
ここはとある地下。怪しく灯る炎がゆらゆら揺れながら、2人を照らしていた。
「なぁ、兄貴。本当の事教えろよ。あいつって兄貴とどんな関係なんだ？」
「……ソレ、死ぬような毒じゃねぇだろ」
好奇心の色が強く、且つ恐怖も混ざった瞳で自身の兄を見据える少年
「言ったろう？関係性は知り合いでしかないよ」
「ただ、そうだな。」
「俺はきっと、知り合いだけでは満足出来ないだろうな」
男は解毒剤の入った小瓶を握りつぶした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 434人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かぴばら2(プロフ) - キースさん» 結構量あるのに…！！ありがとうございます！これからもご期待に添えられるように精進します！！ (2020年12月27日 0時) (
レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
キース - あえてこちらにコメントさせて貰いました！かぴばらさんが更新されているところまで読ませていただきました！とっってもタイプです！ずっと応援してます！頑張れ！(￣▽￣)ゞ (2020年12月25日 23時) (レス) id: 7e1a44873b (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら2(プロフ) - キースさん» キャラも世界観も話の内容もめちゃくちゃ良いですよね！！あの作品は人生のバイブルです…。応援ありがとうございます！これからも更新頑張ります！ (2020年12月25日 22時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
キース - 気付いて下さった......!実は私も大好きな漫画なんですよ( ﾉ^ω^)ﾉ応援してますよ~!! (2020年12月24日 18時) (レス) id: 7e1a44873b (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら2(プロフ) - キースさん» コメント今気付きました！遅れて申し訳ないです！ば、バレてしまいましたね…！私の人生にモロ影響与えた漫画なので使わせてぇなと思ったのが3年前です…。ぶっちゃけまずいと思った時には後に引けなくなってしまいました…ﾄﾎﾎ (2020年12月23日 19時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かぴばら x他1人 | 作成日時：2018年5月5日 0時
