【第五人格】箱に閉じ込められた... (ページ9)

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傭兵(スプリング)の場合ページ9

「あ...あの！起きて！...起きてください！」

なんとも言えない少年ボイスは最高の目覚まし時計だった。

『ナワーブ？...』

「は...はい！ナワーブです！す...すみません！このような格好で！」

どのような格好かと言うと私が下で寝ていてその上にナワーブが乗っている感じ。
馬乗りみたいな

『ナワーブ...大丈夫？頭とかぶつからない？』

「は...はい！大丈夫です！Aちゃんもこの体制きつくないですか？...体重乗っからないようにしてるんですけど...」

『私は大丈夫！結構タフだから！』

両手をガッツポーズさせて大丈夫な事を示すとナワーブはその手を重ねてくる

「じょ...女性なのですから...」

首を起こしてナワーブを見ると顔を赤くして帽子で目を隠していた。

『...ふふ、ありがとね』

「と...当然です！」

愛くるしいと言うのはこういうことだろうこの身をもって実感で来ている気がする

少年のような容姿は通常では見れない肘当てはバネ状になり普段見れない髪の毛も見れる

「ど...どうしたのですか？」

クルクルとした瞳は私を捉えて離さない

『...ナワーブも可愛くなったなあーって』

「可愛いですか？...あまり言われたことないです...」

『気になった？』

「いえ...でも、Aちゃんからは可愛いよりカッコイイと言われたかったです。」

いかにもシュンとした表情を見せるナワーブはあざとい

『そうね、スプリングのナワーブ君もカッコイイよ。言ってないだけで心では思っているから』

「そうですか！？カッコイイですか！？」

いきなり声を上げたかと思うと自分の容姿を見つめる

ランランと輝く目さっきまでモゴモゴしていたナワーブとは大違いだった。

そして、ずいっと顔を近づける多分ナワーブは無意識なんだろう。

スラッとした鼻は私の鼻とぶつかる

流石に恥ずかしい私は目を逸らした
それに気づいたナワーブも一気に顔を上げる

「ご...ごめんなさい！！」

ｺﾞﾁﾝ

まるで頭にピヨピヨと小鳥のさえずりが聞こえそうなほど音大きくナワーブは頭をぶつけた。

『大丈夫？...その様子だと無意識だったみたいだね。いいよ気にしないで』

落っことした帽子を手に取り髪の毛を撫でた

「すみません...僕としたことが...」

『本当に気にしないで誰も悪くなんかないから』

そう言うとナワーブはニコりと笑って私の額に口付ける

『え？』

「僕と痛さの共有です！」

数秒後謝必安のランダム判定により箱は壊されたのであった