恍惚【増田俊樹】【完結】 (ページ12)

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012.アルコールページ12

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「『かんぱ〜い』」

綺麗で、少し静かな部屋に缶と缶があたる音

テレビが着いていない落ち着く空間で、宅飲みをするふたりは少し幸せそうにも見える。

増田「最近どーなん？」

「最近〜……、雑誌撮影とかそんな感じの現場ばっかだよ、明日は収録。ふつーに」

増田「そのさ、昨日浮かない顔してたから心配だったんだけど」

「気の所為じゃない？……ていうか俊樹変わんないね本当に」

増田「まじ？笑」

「うん笑、あの時のまんまじゃん笑笑」

増田「Aもだよそれは笑笑」

「うそ、」

増田「まじまじ」

少し思い出話に花を咲かせた2人のお酒のペースはいつもよりも早かった。

実は増田はこの時、業界全体で問題視されている彼女の事務所について聞こうか悩んでいた。

だが、遠回しに尋ねても何も言おうとはしてくることはなくて、

深堀も良くないと、聞くのを辞めた。

「このイカ食べていーの？」

増田「いーよ食いな食いな」

「やった笑笑」