【実.況.者】社内恋愛禁止

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「牛沢さんは結婚願望ないんです？」



「まあ、したいよ、相手がいればね」



彼の恋愛観を聞くこと自体初めてのことで、ガンガン攻めるとわくんに少しだけ怖さを感じながらも話し込んでしまった。



「係長はあれですね、亭主関白ぽいです」



「え？そう？全然奥さんの言うこと聞くよ」



「あー。そう言いながら支配するタイプや」



「そうそう！結局主導権は渡さないかんじ！」



「姉弟で盛り上がりすぎでしょ、」



可笑しそうに大きく笑いながらそう言う牛沢係長のいつもは見せない笑顔と雰囲気に、思わずドキッとした。

なんとか誤魔化すようにお酒を流しこむと、頭がふわふわとしてくる。



「姉貴はなんやかんや結婚しなさそうやなー」



「それとわくんが阻止してくるからじゃん…」



「何処の馬の骨ともわからんような男に預けられん。絶対結婚させへん。」



相変わらずのシスコンを発揮してるなと笑っていると、グラスを空にした牛沢係長が片方の口角を上げて微笑みながらこう言った。



「とわこくんが弟だったら楽しそうじゃん」



「はあ、そういう作戦ですか？俺はまだ義兄さんとは呼びませんよ」



「ふ〜ん…“まだ”ね」



何やらまたバトルが勃発している様子。もう場を和ませるカードも品切れ状態で、私は諦めて目を閉じた。



「わ、びっくりした…おーい。姉ちゃん？起きろって。もー」


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半分眠りかけて意識を手放しそうになりながら、気がついた時にはホテルの自室にいた。ソファで眠っている牛沢さんととわくんの横にはたべかけのおつまみとビールの空き缶たち。


なんでここで飲み直したのかはよくわからないけど、とわくんにいい友達ができてよかったな、なんて。



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(最大のライバル、恐るべし)

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