【実.況.者】社内恋愛禁止

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「2人とも飲みすぎ注意ですよー」



2人が奮発して美味しいお酒を取り揃えてくれたのと、レトくんの家が落ち着くのもあって、私とフジくんはいつも以上に飲みすぎてしまっていた。



「んふふ」



「ハッシーが酔ってるの久々に見たなあ」



「俺も〜んふふ」



「フジくんも飲みすぎ！」



レトくんはキッチンで片付けをしながら飲んでいたので、あまり酔ってない様子。頭がふわふわとしている感覚だけが研ぎ澄まされ、ぽろぽろと言葉が零れ落ちた。



「ん〜…ヒラくん…」



「ヒラ？だれそれー？」



「ハッシーの元カレだよ」



レトくんには何度も愚痴っていたので呆れた顔でフジくんに説明している。アルコールが入りすぎると、すぐに彼を思い出してしまう。

ヒラくんとも誕生日会、やったなあ。思い出すと悲しくなってしまい、グラスに入ったお酒を一気に流し込んだ。



「もう〜！お酒終わり！ってフジくん！そこで寝ないで！体痛めるでしょ！」



「う〜…だってねむいもん…」



レトくんがフジくんをソファまで連れて行き、横にさせているのを眺めながら、今度はフジくんが残したグラスの中身を流し込んだ。

徐々に部屋がぐるぐると回り、気持ち悪さを覚える。



「ん〜きもちわるい〜…」



「ちょっと横なる？ハッシーはベッドでいっか。」



歩ける？と聞かれて私が首を横に振ると、ふわ、と体の浮く感覚。レトくんの顔が近い。お姫様抱っこされてる…？飲みすぎた時、ヒラくんにもしてもらってたなあ、なんて記憶が蘇る。



「よいしょ…っと。お水いる？」



ふかふかの毛布の上に寝かされ、ゆっくり目を開けるとヒラくんがいた。ああ、なんだ。彼も来てたんだ。



「んーん。こっち。一緒に寝よ」



手を引いて、戸惑う彼をなんとか隣に寝かせる。また前みたいに、2人で寝れるなんて幸せな誕生日だなあ。



「え、ちょっ…Aちゃん…？」



「ふふ、ヒラくん〜…」



胸元に顔を寄せて、久々に感じる彼の温もりは昔と違う香りだった。そんなことを考えていたらすぐに眠りに落ちる。彼と違う男らしい身体つきに、目覚めてから驚くのはあと何時間か先の話。



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(こんな距離で我慢しろって、無理だって)

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