第二十三話 ページ24
瞼の重みが無くなってきて、徐々に光が入ってくる。
身体を動かさそうとしてみるが、力が上手く入らない。
周りを見渡すとどこかの病室らしい所で僕はベットに横たわっていた。
夏油とはどうなった?倒したのか?身体を呪霊に乗っ取られてから記憶がない。
ノックがドアから2回聞こえ、ドアが開くと僕を車で出迎えてくれたスーツの男の人と五条先生が入ってきた。
「彼がAをここまで運んできてくれたんだ。帳が解けたと思ったら君が意識を無くして倒れてたって言ってね」
「そうなんですか?…ありがとうございます…助かりました」
僕は重たい身体を起こし、スーツ姿の男性に頭を下げる。
「い、いえいえ!意識が戻って良かったです!それよりも無理なさらずに!」
男性は僕を寝かせようと近づいくるが、手で制止させる。
それよりも今は五条先生に聞きたいことがある。
「五条先生…夏油傑に会いました…今回の森の呪霊大量発生の原因はおそらく彼の仕業です。特級怨霊を人工的に造り出し、僕に襲ってきました。」
「……夏油か…それに人工的な特級怨霊……強かったかい?」
「まだ、不完全と言っていましたが強かったです。だけど、僕の呪霊に身体を乗っ取られ、こうして僕が生きているということは夏油はまだしも、特級呪霊は倒していると思われます」
「た、たしかに一条さんの近くにバラバラになった化け物が倒れていました!」
「これは早急に対応を急がないとね…Aも森の呪いの気配は無くなったから任務達成だね。その傷を治してから東京に戻っておいで。」
「いえ、この位の傷なら呪力で難なく治せます…五条先生……僕に隠してることないですか…」
優しそうな笑顔から五条先生は通常の気を引き締めている時の顔に戻る
「やっぱり……身体を乗っ取られている時にまた夢を見たんです。そして、最後にあの学校の場面で貴方と僕の呪霊が会った時に、貴方は僕の呪霊に一条夫妻と言ってましたね……」
「もう……分かったのかい…?」
「はい……乙骨さんから話を聞いた時に薄々感じてはいました。だけど、五条先生はその前からずっと僕のこの呪いに関して知っていましたよね?なぜ教えてくれなかったんですか……」
「……ちょっと、これから大事な話をするから…君は出て行ってくれるかな…仕事お疲れ様」
「は、はい!」
そう言ってスーツ姿の男性は病室から出ていった。
五条先生は一息置いて椅子に座った。
「じゃあ…どこから話そうか…」
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時