一片氷心少女。【NARUTO】 (ページ18)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:80,789 hit

人間としてページ18

カルナside

〈良くやった！流石、俺の子だ！！〉

〈卒業おめでとう！！今夜はママがご馳走作るわ！〉

試験を終え屋根の上で空を眺めていると下の方がざわつき始めた

大方他の奴らの試験も終わったのだろう

・

家に帰ろう、と下へ降りると

ナルトが一人
ブランコに跨っていた

表情を見る限り卒業試験

不合格だったのだろう

その横を通り過ぎようとした時

こんな会話が聞こえてきた

〈ねぇあの子...〉

〈例の子よ、今回もまた落ちたらしいわ〉

〈ﾌﾝｯいい気味だわ〉

〈あんなのが忍びになったら大変よ
だってあの子k「ちょっと、それより先は禁句よ！」「ねぇおばさん」〉

私は思わず口を開いた

〈お、おばさんて私達のこと？〉

「アンタら以外誰がいるの…。
ねぇ、ナルトが何なの？
さっきの続き言ってよ」

〈こ、この子って...〉

〈ｯ化け物ｫｯｯﾂ！！！〉

二人はｷｯ、と鋭い目付きに変え
"化け物"と睨み言い捨て

まるで私に怯えるかのように逃げ去って行った

多分ババア二人との会話はナルトにも聞こえていただろう

「化け物...か。「カルナー！」」

タイミングが良いのか悪いのかナルトが駆けて来る

ﾅﾙﾄ「俺ってば、また不合格になっちまったってばよ...

でも次こそは合格する！

一緒に頑張ろうな！！」

表面は笑顔だが私には分かる

────ナルトは泣いている────

でもその感情を表には出さないナルトはとても強いヤツだな、と思う

心では泣いてるけど決して表の顔には出さない

転校してきた私は少しの間しかナルトを知らないが

ナルトは本当に強い

それは
力がある強さではなく人間として、だ

里の奴らにどんなに罵声を浴びせられても
ナルトがソイツらを悪く言うことは決してない

今までは知らないが、少なくとも私が見てきた限りナルトは自分がされた事言われた事を人にしない

人間としてとても強く、優しいヤツなのだ

「じゃあな」と駆けて行くナルトの背を見ながら先程のババア二人の会話を思い出す

『あんなのが忍びになったら大変よ
だってあの子k「ちょっと、それより先は禁句よ！」』

遮られて聞き損ねたこの言葉の続きは何だったのか

まだ一族が生きていた頃こんな噂を聞いた

"数年前、木の葉の里を九尾が襲い
沢山の犠牲が出た

その時
当時の四代目火影波風ミナトが自らの命と引き換えに
生まれてまもない我が子に九尾を封印し里を守った"