俺のこと、好きになって。【吉野北人】 (ページ2)

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なんてバッドタイミング........。

とりあえず早くこの場から立ち去らなきゃ、と一歩あとずさりしたとき。

「分かった。...聞いてくれてありがとう......。」

男の子にそう告げた女の子が、こっちに向かって走ってくる。

ま、まずい.......！

ここにいたら聞いちゃったのバレちゃう！

盗み聞きをしていたと誤解されてしまうであろう状況に、慌てて身を隠した瞬間、泣きながら横を走りすぎる女の子が見えた。

わ.....。

一瞬しか見えなかったけど、お人形さんみたいに可愛い子だったなぁ。

あんな子でも振られちゃうことってあるんだ。

それじゃあ私なんか絶対彼氏出来ずに卒業だよ.....。

もしかしたら、一生彼氏なんかできない人生を歩んでいくのかも.....！

女の子が走ってく後ろ姿を眺めながら、自分の行く末に頭を抱えてしゃがみこんでいると、ふいに日差しが遮られたかのように視界がぼんやりと暗くなった。

ん......？

顔を上げて、私は思わず絶句してしまう。

『........つ！？』

だって、ありえないくらいカッコよくて、でもどこか可愛くて、こういう人がモテるんだろうなって男子が目の前にしゃがみこんで、私の顔を覗き込んでいたのだから。

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