4話 ページ5
私と寧々ちゃんは顔を見合わせて何当たり前のお願いをしてるんだと心から思い、同時に口を開いた。
「 んんと、女子トイレに男子は入っちゃダメだと思うよ？」
「 保護者に報告しますよ 」
と私たちからの一斉攻撃を受け、情けない声を発しながらガーンっとショックを受ける彼を見て、苦笑いを零す寧々ちゃん。
ボソっと「 そんな、先輩まで…、花子もいねーし 」と呟いてるのが聞こえ、すぐさま寧々ちゃんが反応する。
「 え、花子くんいないの？
…あっ、あの、Aちゃん、これはその、違うのよ！
花子くんってのは、その、友だちなの！」
はっとした顔であたふたと説明する素振りが可愛くて、くすくすっと微笑み、その花子さんはなぜいないの？と聞いてみた。
後輩くんは不思議そうな表情でこちらを見つつも
「 さっき来たらこんなのが置いてあって 」
と1枚の紙を見せてくれた。
綺麗とは言い難い字で " 会議に行ってきます " と書かれてあった。
「 花子さんは会議なんてするのね？
誰とするんだろーね？」
「 会議…？はっ！！！
源くん、今何時ですか！」
ヘラヘラとしながら疑問を口に出せば、それを拾ったなよなよした先生が焦った様子で後輩くんに時間を問うた。
16時ちょっと過ぎと聞いた瞬間、顔色を変え、16時から会議があったと言う。
後輩くんに女子トイレに入らないよう再度釘を刺すと、大慌てでその場を去った。
先生なのに会議を忘れ遅刻するなんて大丈夫かよ。と心の中で毒を吐きつつ、花子さんに後日と言われたのは会議があったからかと1人納得した。
「 寧々ちゃん、この後何かあるの？
何もないなら一緒に帰らない？」
「 うっ、えっ…と、今日図書室で源くんと調べ物があって、その、ごめんね！？」
と言う彼女に、ああ、嘘つくの下手くそだなって思いつつ、隣にいる後輩くんを軽く睨む。
「 そうなの…、私もやりたいこと今日出来なくなったし、よければその調べ物一緒にしていいかな？
最近寧々ちゃん忙しそうで、一緒に過ごせる時間少なくなっちゃったもん… 」
寂しげに眉を下げ、迷惑なら別にいいんだよ！と言ってしまえば、寧々ちゃんが断れないのは分かってる。
ごめんね、でももうあなたを危ない目に合わせたくないの…。
自己満足だけど許してね。
「 わ、わかったわ…
あのね、Aちゃん、源くん " 16時の書庫 " って知ってる？」
えぇ！！？と言いたげな後輩くんは無視しておく。
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人参ぱんつ(プロフ) - yamiさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません、とても嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張らせていただきます！ (2020年8月21日 18時) (
レス) id: a7aebfbb6e (このIDを非表示/違反報告)
yami - 凄く面白いです！更新頑張って下さい。 (2020年7月28日 12時) (レス) id: 0abcc7321c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人参ぱんつ | 作成日時：2020年4月22日 1時
