34話 ページ36
体育も終わり、6限目の国語はみんな疲れてうとうとしていた。
先生は睡眠学習絶対に許さないマンだからノートを取る以外で顔を下に向けていたらすぐに名前を呼ばれる。
私はそんなに疲れてないが国語の時間はどうも眠くなってしまう。
前でうとうとしている寧々ちゃんの肩を何度か叩いて起こしてあげ、授業がさっさと終わる事を望みながら何度も時計を見ていた。
掃除も終わり放課後、いつも通り旧校舎へ行こうとした時に、担任の先生に頼まれ私はお手伝いをしていた。
明日の授業で使う資料とプリントをさっさと運んで終わらせ、私は颯爽と旧校舎のトイレへ向かった。
「 ごっめーん、ちょっと遅くなっちゃった！
先生の頼まれごとしててさ…？」
私がそう言いながら顔を出すが、そこには誰もおらずただ静かな空間が広がっていた。
光くんはまだしも花子くんがいないなんて、どうしたのだろうと考えていると、何者かの気配を感じた。
誰か来たのかと嬉嬉として振り返れば、目の前には底がない深い沼の様な瞳、口は耳元まで裂けていて不気味な笑みを浮かべており、髪の毛は腰あたりまで伸びていてボサボサ。
左腕は関節が外れているのかだらしなくぶら下がっており、右足は左足に比べ大きく、他の人の物を取ってつけた様だった。
それは憎悪に塗れたオーラを放っており、私の本能が逃げろと警告音を鳴らしている。
私は近くにあったバケツを相手目がけ投げた。
少し怯んだ瞬間にトイレから逃げ出して廊下を走った。
後ろを振り返ると、少し足は遅いが、走る私より若干速く、徐々に距離を詰められている。
「 何これ何これ、やばいって…！
何でずっと走ってんのに今の校舎まで行けないの！
ループしてる…！？」
そう、ただひたすら廊下を走っているのにも関わらず先が全く見えず、現校舎に着く気配が全くないのだ。
体力が限界に近付き、後ろにいる化け物との距離がだいぶ近づいてきた。
肺が痛い、息が苦しい、足もガクガク震えててもう歩くのも辛い、全身の細胞が恐怖で逃げ出したいと暴れ回っている。
それでも死に物狂いで足を動かし、一歩一歩ゆっくり歩を進めるもすぐ近くまでアイツがきていた。
そいつが私に手を伸ばした瞬間、バチッとそいつの手が跳ね返され、私の頬には " 七 " の文字が浮かび上がった。
「 ナ…ナ、フシ…ギ、がァ、グィ…！
ニグイィオィイイイイイイ！」
上を向いてグワァと叫ぶため、完全に腰が抜けてしまい、絶体絶命。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
人参ぱんつ(プロフ) - yamiさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません、とても嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張らせていただきます！ (2020年8月21日 18時) (
レス) id: a7aebfbb6e (このIDを非表示/違反報告)
yami - 凄く面白いです！更新頑張って下さい。 (2020年7月28日 12時) (レス) id: 0abcc7321c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：人参ぱんつ | 作成日時：2020年4月22日 1時
