26話 ページ28
にへっと笑う私の顔はちゃんと笑えていただろうか、後輩の前で涙を見せるなんて、そんな情けない事はしたくない。
お願いだからこれ以上私を見ないで、早く解放して、そして早く寧々ちゃんの未来を変えてあげるの。
「 ほら、早く行こ！」
逆に手を引っ張って屋上まで連れて行ってあげればそこにはでろでろに溶けた寧々ちゃんとこちらを見て手を振る花子さん。
ドクンドクンと早く脈を打つ心臓を無視して、探したんだよー！？と怒る素振りを見せ、光くんは寧々ちゃんの元へ近付いて、何やら叫んでいる。
私は花子さんの後を追いかけて校舎の中へ入り、引き止めた。
「 ねえ…、そろそろ私のお願いごと、叶えていただけませんか？」
「 …本当にいいの？」
「 何を今更、呼び出した時点で決まってたよ、私の心は 」
「 そっ…か、分かった、じゃあ後でヤシロとトイレに来て、待ってるから… 」
帽子を深く被り、こちらへ目も向けようとしない彼にまた痛みだす胸。
寧々ちゃんには目を合わせて優しく微笑んで抱きしめてってしてるのに、私には目を合わせることさえしない。
でもあっちは両想いだもんね、光くんには悪いけど私2人のお手伝い頑張らないと…。
寧々ちゃんと光くんが屋上から出てきた時、私は寧々ちゃんにコソッと、花子さんが呼んでるから一緒にトイレ行ってくれる？と聞いた。
不思議にそうに頷く親友に笑いかけ、先に行くねと旧校舎まで早歩きで向かった。
「 …、言うても私の寿命もそこまで長くないんだけどね 」
左手首を見つめながら1人ぽつりと呟いた。
私の…、いや、彼女の残り時間、後32年1ヶ月。
短いけど子供を産んで幸せになるくらいの時間はあるんだし、どう頑張るかは寧々ちゃん次第。
私たち2人がトイレに着くと、神妙な面持ちの花子さんに、何が何だか？の寧々ちゃん。
「 今からね、私のお願い事を叶えてもらうの
寧々ちゃんがいなきゃ始まらないから呼んだんだよ！」
「 そうなの？
私がいなきゃ始まらないって、どんなお願い？」
「 それは叶えてもらってからのお楽しみってわけで！
花子さん、花子さん、私のお願い叶えてください 」
私と寧々ちゃんはとりあえず目を瞑ってと花子さんに言われたため、目を瞑り、何をされるかドキドキしながら待ち構えた。
「 いい？何があっても絶対目を開けちゃダメだからね、目を開けたら失敗してしまうから 」
真剣な声が聞こえ、頷けば胸元に手を当てられ、1発殴ろうと誓った。
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人参ぱんつ(プロフ) - yamiさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません、とても嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張らせていただきます！ (2020年8月21日 18時) (
レス) id: a7aebfbb6e (このIDを非表示/違反報告)
yami - 凄く面白いです！更新頑張って下さい。 (2020年7月28日 12時) (レス) id: 0abcc7321c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人参ぱんつ | 作成日時：2020年4月22日 1時
