６話 サッカーをしよう ページ7
「あとなんか聞いてないことあるか？」
「事前に準備していたものはもう出しつくしちゃいましたよ」
『質問タイムはもう終わりにしようよ。公園、着いたみたいだし』
これでもかと質問していたのに、さらにひねり出そうとする子供達へストップをかけ目的地に着いたことを知らせる。
目的地の公園は想像より広く、芝生のエリアや、サッカーゴールがあるエリア、大きな遊具が幾つか設置されたエリアなどがあった。子供達は持ってきていたボールでサッカーをするらしい。遠くに見えるサッカーゴールのあるエリアへと、我先にと走っていった。
『君たちも行っておいでよ。僕はゆっくり向かうから』
しかしコナン君と灰原哀という女の子は、他の子の競争じみたかけっこについていかず、僕の隣に留まっていた。
「これからウンと走るんだから今くらい歩かせてちょうだい」
『えと、そうだね？』
「……」
『……コナン君はいかないの？』
「数住さんと灰原がいかないなら、僕もいいかな」
そっか、と応えてから誰も喋らなくなってしまった。話題がないわけではないと思う。その証拠にコナン君は僕と哀ちゃんをチラチラ見てるし。なにか聞きたいことがあるのだろうか？
「……数住さん、もしかして」
「コナン君！哀ちゃん！数住さんもはやくはやく！」
「お前らおせぇぞ！」
「もう始めちゃいますよー！」
なにか聞きかけたコナン君の声を遮るように、先に走っていった３人が僕達を呼びに来た。その事に呆れた顔をする哀ちゃんと、不満そうな顔をするコナン君の２人を見て少し笑ってしまう。
『ほら皆が呼んでるよ。質問はたっぷり遊んでからにしよっか』
おやつを持ってきてるし、休憩時間も取るつもりだからその時に話を聞いてあげよう。それまで僕はどこかベンチを探して座って眺めてようかな。
「数住さんサッカー上手かったですね！」
休憩中、光彦君にそういって褒められた。彼だけじゃなく元太君や歩美ちゃんにも絶賛された。
実際はそこまで上手いわけじゃない。だけど、体がまだアンバランスな子供達からすると、よく動けているように見えたのだろう。
『皆も凄かったよ』
少ない人数だからボールを追って普通よりたくさん走らないといけない。それを子供達は無尽蔵の体力で解決していた。そしてそれにいい年した大人が追い付けるわけもなく。
始めは眺めてるつもりだったんだけど、子供達は参加すると思っていたらしく、おしきられてしまったのだ。
おかげで汗だくだ。
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