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ギュン、と木々が生い茂る方へ投げ出される。
(っ、いや、焦るな!)
大丈夫、これは『伸びている』方の力。『縮んでいる』時の力よりも弱い力だ。枝を掴む余裕がある、それだけで少女は勝機があると確信する。
木が近づく。少女は手を伸ばしガシリと枝を掴み一回転し、その勢いで靴を脱ぐ。これで少女はバンジーガムから逃れる事が出来た。
少女は反撃に入った。木の幹に足裏を当て念を込める。イメージはそう、ロケットのエンジンのような爆発…!
*
ヒソカは心底驚いた。
指先から重みが消えたことを疑問に思い、縮めてみると手に入ったのは少女の靴だけ。なるほど、単純で熱くなりがちな弟子にしては頭がまわる。
さて、何処に隠れたか。ぐるりと見回すが見当たらない。…いや、
気配を辿り見上げてみると、目の前には落ちてくる踵。ヒソカは心底嬉しそうにした。
ああ、キミは、
なんて美味しそうなんだ!!!!
「いっだぁぁぁ!!!」
踵を抑えゴロゴロと転げ回る少女。少女の攻撃は見事に命中したが、ヒソカの硬によるガードによって痛み分けという結果に終わった。
「くくく…♡キミも合格だね♢」
「くそっ!ふざけないでください!手ェ抜いてた癖に…!」
「その足じゃ歩けないだろ?運んで行こうか♧」
「〜ッバカにして…!」
「…ん…。 !! A!」
「ゴン!目が覚めたのか!」
「う、ん…頭がなんだかグラグラするけど…大丈夫だよ…。って凄い足!お前がやったのか!!」
ゴンは鋭い目付きでヒソカを睨む。ヒソカはくつくつと笑うばかりだ。
「ちょうどいい、そこのボウヤに運んでもらいな♤ボクはそこの彼を運んでやるから♡」
「……道は…わかるかい?」
先程まで睨んでいたゴンだが、ヒソカと目を合わせた瞬間ピタりと固まる。そしてかろうじて頷いてみせた。
「いいコだ♧」
そう言ってヒソカはレオリオを担いで霧の中へ消えていった。
「ゴン!A!」
「クラピカも戻ってきたのか…はは」
「何がおかしい、それよりA!その足はなんだ」
「…それは後ででいい?今は二次試験会場に急ごう」
「…ゴンも、な」
「っあ…うん。」
ゴンの気持ちが痛い程理解出来るのはこの場にいるAだけだった。
圧倒的な存在と対峙した時の恐怖。殺されるかもしれない末恐ろしい恐怖。
でもそれ以上の高揚感。わくわくする、うずうずする
こいつと、闘ってみたい。
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かぴばら2(プロフ) - クロムさん» 遂にバレた!!!そうです!DINARです!!初めて見た時にすげぇー!!やらせてぇ!!と思って衝動的に書いてしまいました…。今見るとすごく拙くてツッコミどころが満載なのでいつか書き直したいと思ってます…。コメントありがとうございます! (2021年4月29日 20時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
クロム(プロフ) - スカルジャック? (2021年4月29日 9時) (レス) id: 11c6fe3903 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - ピポ助さん» ひぃ…コメント今気づきました遅くなって申し訳ないです! やっぱりイルミは病んでないと始まりませんね!これからも頑張ります! (2019年9月11日 21時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
ピポ助(プロフ) - コメント失礼します!イルミのヤンデレ具合が最高に好きです…!これからも頑張ってください!! (2019年9月3日 1時) (レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - 名無しさん» 大変永らくお待たせしました!またふらっとふわっと消えてしまうかも知れませんが、どうか御容赦願います。暫くは更新し続けたいと思っています! (2019年7月5日 1時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぴばら x他1人 | 作成日時:2018年6月6日 23時