一緒に居てね/ht ページ8
ある日から、みんなの視線が変わった。私が話しかけても無視。良い方で愛想笑い。
私って、何か悪いことした？
その思いは日に日に強くなっていった。でも、それに従っていじめは激化していった。机の上はいつも汚れていた。上履きも、ぼろぼろだった。
暴力はないし、まだ大丈夫。
そう思っていた矢先、いわゆるスクールカースト上位の子たちに殴られた。蹴られもした。私の体は限界で、心はとっくのとうに疲弊しきっていた。
誰もいなくなった教室。私は必死に掃除をしていた。なぜって？あの子達にやっておけって言われたからに決まってるでしょ？私の目からは自然と涙が零れていた。嗚咽も次第にやってくる。
「あの……Aさん、大丈夫？」
私に被さる影。顔を上げると、そこにはクラスでも比較的大人しい、ひとらんらん君だった。私はごしごしと涙を拭いて返事をした。
「……大丈夫、だよ。別に」
「苦しいのに、別になんて言っちゃだめ」
彼は私の手を優しく包んだ。私はその行為に反射的に眉をしかめた。すると彼は遠慮がちに、ごめんね、と謝った。
ひとらんらん君が謝ること、ないのに。
「ずっともしかしてって、思ってたんだ。もしかして、Aさんがいじめられてるんじゃないかって。でも、行動出来なかった。意気地なしの男だと思うだろ？でも、今なら助けられる」
ひとらんらん君は私の手を一旦離してから私に向かって手を差し伸べた。そして、穏やかな言葉を添える。
「どう？俺の手を取ってみない？」
私は彼の手をじっと見つめる。その言葉は私にとって甘い、砂糖菓子のような言葉だった。同時に、悪魔の囁きでもあった。このときは微塵も思わなかったが。気付かなかったから、私は彼の手を取ってしまった。彼はマスクをずらして優しく笑った。
「じゃあ、これからよろしくね。A」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ばぐのばく(プロフ) - 現状、動かせる状態ではないので、明日対処します (2022年7月24日 23時) (
レス) id: c1506ac0fe (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 失礼します。この作品は二次創作でありながらオリ/ジナル作品になっています。ルール違反なので、オリジ/ナルのタグをきちんと外していただくようお願いします。作品を作られる際はルールをよく確認されて下さい (2022年7月24日 22時) (レス) @page1 id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ばぐのばく | 作成日時：2021年11月16日 22時
