捜さないでください/sha ページ1
「うわああああああッ！！」
私の声が木霊する。
頬に流れる涙は、棺桶に落ちていく。
"情けない"
そんなの考えらんない。そんな風に言わないで。だって、だって友達が─────死んだんだから。
「なんでッ、なんで千恵が死ななきゃなの!?初めて出来た親友なのにッ！！」
泣くしかできない私は、なんて無力なんだ！
そんなことを思ったって千恵は帰ってきてくれないし、他人も哀れむことしかできない。
乾いた笑いが喉から零れて、冷たい風が私の心に吹いた。
─────────────────────────
千恵が居なくなった日々は私にとってつまらなかった。
ぼうっとしながら歩いていると、ドンッと誰かにぶつかってしまった。
そのまま後ろに倒れるも、おしりに痛みはこなかった。
「大丈夫？」
目の前の青年は、焦ったようにその蒲公英のような瞳をぱちぱちと瞬かせた。
綺麗·······。
私はその瞳に目を奪われた。
そんな私にもう一度声がかかる。
「なぁ君、大丈夫なん？」
はっと意識を戻すと同時に私が今、どんな状況にあるのかわかりそうすると一気に顔が赤くなるのがわかった。
「すっ、すみません！！」
横抱き、いわゆるお姫様抱っこをされていたのだ。
恥ずかしい以外のなんでもない！
降りてから私はもう一度言う。
「すみませんでした！」
「君が無事なら大丈夫やで」
その青年は見た目通りの爽やかな青年なんだろう。
そう思いながら見続けていると、青年は不意に私の頬に手を滑らせた。困惑すると、青年はにっと笑った。
「泣いてたん？涙の後あるけど」
「泣い、てた·······？」
気が付かないうちに涙が零れていたらしい。
私はぽつりと呟き、そうすると私の思いがもっともっと、溢れてきた。
「親友、が、亡くなったんです」
「····親友が、か」
「明るくしてなきゃだけど、そんなん無理に決まってる」
吐き捨てるように言うと、今初めて会った青年は先程の笑顔とは違う笑みを浮かべた。まるで愉悦感に浸っているような、笑顔。
「·····そんな顔するから俺みたいなんに好かれるんや」
「へ······？い"····！」
バチ、と目の前に火花が散る。
瞼が落ちて、開けることができない。
最後に見た景色は、やっぱり青年の恍惚とした笑みだった。
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ばぐのばく(プロフ) - 現状、動かせる状態ではないので、明日対処します (2022年7月24日 23時) (
レス) id: c1506ac0fe (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 失礼します。この作品は二次創作でありながらオリ/ジナル作品になっています。ルール違反なので、オリジ/ナルのタグをきちんと外していただくようお願いします。作品を作られる際はルールをよく確認されて下さい (2022年7月24日 22時) (レス) @page1 id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐのばく | 作成日時：2021年11月16日 22時
