RPGトラベラー!!【歌い手】

chagrin and anger ページ45

byもちご



〜ことりside〜

目の前で起きた状況が理解できなくて思わず固まる。





そらる、さん……？


目を見張るけど、倒れたそらるさんの所からは綺麗な赤色の血が流れてくる。



「……まじ、で？」



すぐにそらるさんに駆け寄ろうとした。


しかし、それはそらるさんと私のコピーによって阻まれた。





2対1。


私のコピーとそらるさんのコピー。






この状況で私のやる事はただ1つ。



「……うちのパーティに手ぇ出したヤツは許さねぇ。てめぇら、覚悟しとけ。」



聞こえてんのか聞こえてないのかわかんないけど、2体のコピーにそう言って剣を片手に走る。


コピーは無表情のまま戦闘態勢に入る。






LvMAXだろうが、自分のコピーだろうが、そらるさんのコピーだろうがそんなもの関係ない。

ただ一心不乱に相手に剣を刺してゆく。





そらるさんを殺そうとするやつなんて許す気はさらさら無い。



でもやっぱり相手はLvMAX。

簡単には倒せない。


相手の攻撃が何回か掠ったけれど、そんな気にせず相手に攻撃していく。







悔しさと怒りをともに。








そして、2体のコピーの息の根をそれぞれ止める。



「っ、はぁっ、はぁっ……。」



倒れたコピーをじっと見つめて息を整える。
部屋の中の静寂が私を包み込む。



そ「うっ……」


「っ、そらるさんっ！」



直ぐにそらるさんに駆け寄る。

そらるさんの脇腹からは血がどんどん流れていく。



「そらるさんっ、そらるさんっ！しっかりして！」


そ「ことり、ちゃん…。」


「ダメっ、動かないでっ！」



そらるさんの脇腹にタオルを当てて止血する。

けど、その血は止まりそうにない。









こんな死に方ないよね……！？

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