先輩、俺のオメガでしょ？ (ページ6)

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最悪な朝ページ6

ym side

"あの時一目見ただけで好きになっちゃったの… あなたも私を好きになるはず"

人気の無い夜の路地裏。
俺を地面に押し倒して上に跨るオメガの女は、自身の着ている制服のボタンを外して、下着を露わにさせる。

"私たちは運命で結ばれてるんだから＿＿＿"

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… っ、

最悪な気分で目を覚ました午前4時半。

本能が暴走した日から1週間経ったけど、先輩とは学年が違うからか会うことは無く、特に何事もないまま平和な学校生活を送れている。

ただ、代わりに毎晩と言っていいほどあのオメガが夢に出てきて完全に寝不足。

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すっきりしない状態で登校し、残る眠気から教室の机にうつ伏せになりながら目を閉じていると、背中をトントンと叩かれる。顔を上げたら、知念と裕翔が俺の顔を覗き込んできて。

「なーに、俺の顔になんか付いてる？」

知念「涼介、最近寝不足？」
中島「目の下のクマやばいよ、大丈夫？」

「あー…、そーなんだよ、最近あんま寝れてなくて」

知念「あ、伊野ちゃんに抱き締められてからじゃない？」

「そうだっけ？」

それは偶然だろ、と思いつつ、"伊野ちゃん"と呼んでいるのが地味に引っかかる。

「てか、伊野ちゃんって呼んでんの？知り合い？」

知念「委員会で一緒だったことがあって。その時から偶に話すくらい？すごい話しやすいよ、伊野ちゃん」

中島「そういえば、俺らの学年で伊野尾先輩を狙ってる人多いよね。αだけじゃなくてβでも狙ってる人居るし。あの見た目だし、Ωだし、もう既に番居てもおかしくないでしょー」

「… そんな人気なの、あの先輩って。」

中島「逆に山ちゃんが知らなかったことに驚くわ」

知念「涼介、そういうの疎いところあるから…」

なんだろう、この湧き出る黒い感情は。

好きとかそういうのはないのに、先輩が他の人のものになるのは嫌だし、他に番が居るのかと思うと気持ちが落ち着かないというか。

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「ごめん、ちょっと俺トイレ行ってくる」

そう2人に告げて席を立つと、俺は3年生の教室が並ぶ階へと心が赴くままに向かっていた。

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廊下の突き当たり。隅の方で伊野尾先輩と誰かが話している様子が目に入る。それも、めちゃくちゃ仲良さそうに。

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その時、遠目に見てしまったんだ。

伊野尾先輩が、マーキングされているところを。

※ マーキング : Ωの首筋や肩をαが噛んで匂いを付け、パートナーであることを示すこと。他のαからも識別することが出来る。